見出し画像

短歌 夜02 十首

静寂が漂う部屋の片隅で
戸惑う呼吸に笑みを返す

繋いだ手から溢れ出す熱のせい
影を重ねて意味だけ捨てた

残像が居座る君の胸元を
涙しながら引っ掻きまわす

なんだ君、泣いているのか
当たり前、そんな目をして笑わないでよ

From君 分泌された愛だから
余すことなく手に入れたいの

うつし世に未練はないが君のこと
味わい尽くしてから果てたい

何もかもどうでもいいと心から
思える時が来て良かったよ

くだらない話が今は聞きたいな
ひとときの夢は見終わったから

知能犯みたいだ君は知っている
私たちならとっくに堕ちてる

愛という言葉を確かめるための
方法ならばたったひとつ

#note短歌部 #文縁の友 #チャレンジ中

よくぞここまで辿りついてくれた。嬉しいです。