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短歌 数 十首

1
ホームにて響いた声が懐かしく父によく似た咳をしていた

2
数学が苦手なことを言い訳に砂糖まみれの弁解をする

3
孤独たち足し算できない孤独たちそれぞれの意味それぞれの日々

4
素数だけ数えてましたあなただけ絶望するとわかってたから

5
苦しいか悲しいかやりきれないか安心しろ全部まぼろしだ

6
いうことをきいたぶんだけ莫迦として愛される仕組みを試す

7
夜空から掬いあげたらオリオンよ寂しかったと本音を漏らせ

8
偶数じゃなければとても耐えられぬ 目、耳、手足、あれ心臓?

9
霜月に傾いていく人々の憂い飲み込むあなたの喪服

10
背の順で腰に手をあてていた頃あなたの笑顔だけ怖かった

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