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おやすみを言うまでは

あなたの塗り潰した歴史は
本当は黒くなんてなかった

過去は憂鬱な顔をして
いつだってあなたを監視している
あなたがこれ以上傷つかないよう
鋼鉄の揺り籠を携えて

あなたが拒絶した約束は
本当は破られてはいない

呼ぶ声があれば応じ
叫ぶ声があれば耳を傾け
泣き声があれば西陽に涙して
あなたはずっと真剣に生きてきた

穴だらけのあなたの道に
瑕疵があるという人かいたとして
そんな妄言はあなたの評価に値しない

泥まみれで笑うあなたの顔を
清拭しようとする人がいたとして
そんな欺瞞はあなたの価値を揺らさない

はじめからおわりまで
誇るために人生はあるのでしょう
他でもない自分自身に

未来は恍惚とした表情で
いつだってあなたを手招いている
ところが選ぶのは自分だと告げる
子守唄はここまでだよと

あなたが誤魔化した日々は
それでもあなたを否定しない
灰になる覚悟をするくらいなら
今日「おやすみ」を言うまでは
呼吸を手放さないことをどうか
この小指と誓ってください

#詩 #現代詩 #傷つきながら闘う人へ捧げます

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