短歌 日常04 十首

クーラーのリモコン権を争って
風邪引く君をまた好きになる

少しだけ負けず嫌いなところまで
似てきた二人には笑いじわ

仲直り でもその前に一つだけ
確認したい キスいつですか

「大丈夫」などと容易く言えるのは
やけに大人な横顔の影

身勝手な振る舞いが良い 一切の
遠慮は無用の食卓につく

夏空にオリオンを見つけ祈ったか
その幻影を否定はしない

じれったい なんでそんなに音痴なの
「シ」が逃げたんだと主張するけど

本当にバカだな君は 「昔はね、」
枕詞がいつも一緒だ

パラダイスでも桃源郷でもないけれど
２LＤＫが心地よい

絶対に私の犠牲にならないで
望まぬことを望まぬように

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