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【小説】陽羽の夢見るコトモノは

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ある日突然自宅が神殿になってしまったら。いつも通りアルバイトに行くしかないじゃないの。神さまとの、穏やかな日常生活のお話、なのかな?
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陽羽の夢見るコトモノは(10)

陽羽の夢見るコトモノは(10)

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(10)ごめんなさい「いおり、すきなことは、続けたほうがいいよ」
「陽羽、どうしたんですか」
「すき、な、ことは、つづけ、たほう、が――」

やがて陽羽は口をぱくぱくとさせて、そのまま黙ってしまった。

「エリーゼ、何があったんですか」

伊織の問いかけに、しかしエリーゼは答えない。遠藤さんが、温めたタオルで陽羽の頬を拭いてやると、「可哀想に」と言った。

「陽羽ちゃんは

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