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【小説】陽羽の夢見るコトモノは

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ある日突然自宅が神殿になってしまったら。いつも通りアルバイトに行くしかないじゃないの。神さまとの、穏やかな日常生活のお話、なのかな?
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陽羽の夢見るコトモノは(9)

陽羽の夢見るコトモノは(9)

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(9)プロジェクト・パラケルスス伊織は買い物に行くと偽って、両親の泊まっているビジネスホテルを訪ねた。ビジネスホテルといっても広めのロビーがあったので、フロントに呼び出してもらい、伊織は硬めのソファに腰かけた。

時刻にして午後十時過ぎ、街はすっかり寝支度に入る頃合いである。

「伊織、来てくれたのね」

母親が、やってくるなり嬉しそうに言った。

「日本は、ロビーじゃタ

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