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2023年6月の記事一覧
陽羽の夢見るコトモノは(8)
一話へ 前回へ 次回へ
(8)おまけ最寄り駅の改札まで着いたところで、陽羽は伊織のシャツの裾をぎゅっと掴んだ。
「遠くへ、って言ったけど、わたし、やっぱり家に帰る」
「陽羽、私には状況が全くわからないんです。私の親と陽羽は、知り合いなんですか?」
陽羽は、めずらしく目を伏せた。電車がホームに進入する音が聞こえてくる。
「どうせ逃げ切れない。だったら、一秒でも長く、いおりのことを覚えていたい
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(8)おまけ最寄り駅の改札まで着いたところで、陽羽は伊織のシャツの裾をぎゅっと掴んだ。
「遠くへ、って言ったけど、わたし、やっぱり家に帰る」
「陽羽、私には状況が全くわからないんです。私の親と陽羽は、知り合いなんですか?」
陽羽は、めずらしく目を伏せた。電車がホームに進入する音が聞こえてくる。
「どうせ逃げ切れない。だったら、一秒でも長く、いおりのことを覚えていたい