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【小説】陽羽の夢見るコトモノは

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ある日突然自宅が神殿になってしまったら。いつも通りアルバイトに行くしかないじゃないの。神さまとの、穏やかな日常生活のお話、なのかな?
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陽羽の夢見るコトモノは(5)

陽羽の夢見るコトモノは(5)

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(5)夏祭りその日、夕方から駅前の大きめの公園で夏祭りが開かれるという。当然、陽羽は「いおりと行く」と言ってきかなかった。エリーゼはカバンから財布を取り出し、千円札を伊織に手渡した。

「買い食いは、1000円まででお願い」
「ヨーヨー釣りは? 金魚すくいは?」

せがむような表情の陽羽に対し、エリーゼは首をぶんぶんと横に振った。

「含むわよ」
「ええー」
「陽羽、エリ

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