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譲れないものを大切にする人生を-生きる指針を自分の内から導き出す「箱庭コーチング」【インタビュー記事】

 株式会社プロサポート代表取締役 吉野 賢 様のインタビューをさせていただきました。吉野様は、創業以来10年以上ホームページなし・営業なしの口コミや紹介のみで事業を発展して来られました。このたび新たなセッション「箱庭コーチング」の提供を開始されたばかりのタイミングでお話をうかがうことができました。この記事、言ってみれば吉野様にとって初めての営業活動と言えるのではないですか!? だから、インタビューするのも記事をまとめるのも震えました! 

 吉野様のお人柄と新しいセッションの重要さがたくさんの方に伝わりますように。記事もお写真も吉野様ご了承の上、公開させていただいております。吉野様、ありがとうございました。

 皆様、ご自身の「譲れないもの」って自覚されていますか? では、どうぞご覧ください!


譲れないものを大切にする人生を

――生きる指針を自分の内から導き出す「箱庭コーチング」

 株式会社プロサポート代表取締役 吉野 賢氏 インタビュー

株式会社プロサポート代表取締役 吉野 賢 様
優しい笑顔が印象的です

【プロフィール】

吉野 賢(よしの けん)
 株式会社プロサポート代表取締役。「人が育つ会社づくり」、「後継者・次世代リーダーの育成」をサポートしている。人財育成トレーナー・ビジネスコーチ・産業カウンセラー。エニアグラムという人間学を使用して人間理解を促し、表面的ではない根本や本質からの問題解決をする。起業して今年で12年目。ホームページや営業活動なしという、紹介と口コミのみで事業展開してきた。2024年より個人向けサービス「箱庭コーチング」の提供を開始。自身でも毎日のように自分自身のために箱庭を置く(作る)。その様子を発信したSNSは「映える」と評判を呼んでいる。

 *インタビューは、オンラインミーティングシステムzoomで行われた。

吉野さんご自身で置かれた(作られた)箱庭
吉野さんにとって箱庭はなくてはならないもの
独特の世界観
あれ? どこかで見たような・・・・・・

人知れず悩む後継社長に寄り添う

 ――新規事業「箱庭コーチング」についてうかがう前に、株式会社プロサポートがどのような会社か教えていただけますか。

吉野 企業の人財育成やチーム作りのコーチ、コンサルテーションをしています。今、起業して12年目ですが、これは本当に不思議なご縁なのですが、二代目、三代目、四代目という後継社長が会社を新たに作り直す場面に立ち会うことが多くてですね。その方々が考えを整理したり、事業の発展について迷い悩んだりする場に関わり続けて来ました。私自身、起業する前は一般財団法人タヤマ学校®️という老舗研修機関で働いていた関係もあり、当初のご依頼はその頃のご縁や紹介でした。後継者の悩みは、全く知らない第三者にはなかなか話せないですから。

 ――紹介とは言え、すぐに自分が抱えている悩みを話すのは難しいですよね。経営者との信頼関係はどのように築いていったのですか。

吉野 とてもシンプルなのですが、興味関心を持って相手に接しました。すると、自然に相手のことを好きになっていきます。そして、私自身もなるべく気持ちを話すように努めました。そのように、安心してその人の譲れないものや価値観、希望、困難な中でのやるせなさなどを話してもらえるようにしました。

 ――腹を割って話せる相手になるのですね。

吉野 はい。「プロサポート」という社名にもなっているように、私はコーチというよりサポーターとして存在するようにしています。例えばサッカーは熱狂的なサポーターも多いですよね。あのようなイメージです。私には心に決めていることがあります。それは、縁があって出会ったということを大切にし、心底応援したいと思う会社とだけお付き合いをさせていただくということです。だからこそ私は、相手を大好きで熱狂的なサポーターになれる。そんな私が会社の内部を知り、外部的に応援ができる。それが我が社の大きな強みだと思っています。

生産性を追う経営者に「ちょっと待って」

 ――企業サポートの手法として、「エニアグラム」を使用されるとのことでした。

吉野 はい。エニアグラムは性格診断などで使用されることが多いですが、本質は、古代の賢人たちの知恵と現代心理学と精神医学の成果が結びついた古くて新しい「人間学」と言えます。それを活用する理由は、会社は「人でできているから」です。経営資源として、ヒト・モノ・カネ・時間・情報などと言われます。しかし根本は「人」です。会社では、一人でできないことをチームによってなし遂げていますよね。経営者やリーダーになる者が人間についての深い理解がなければ、経営資源をフルに活用することは到底できないでしょう。

 ――うまくいっていない会社というのは、人間理解ができていない?

吉野 それは大いにあります。よく言われる「生産性」にしても、根本は「人間」に関わっています。やる気や目的、関係の築き方、もっと根源的に言うと、自分のことを好きかどうかで全てへの関わり方も変わって来ますよね。

 ――では、お互い「自分はこういう人間です」というのを出しながら仕事をするようになるといいですよね。

吉野 それは、なかなか勇気がいることですよね。その場に信頼関係がないとできませんし。近年、「心理的安全性」が大切と言われます。自分が「大丈夫だ」と感じられないと、自分自身をさらけ出すのは難しいですよね。ですが、会社として、自分らしさを抑えたままで生産性を上げ質の高い仕事ができるでしょうか。自分を出さないままで人と本音で話せるでしょうか。そんな状態でリーダーシップを発揮したり、継続的な関係が築けるでしょうか。

 ――確かに。では、経営者は生産性を上げるために、心理的安全な場を作りたいのでしょうか。

吉野 経営者にとっては、心理的安全性を希求しているというより、やはり会社を存続させ、発展させることが一番の関心事です。そうでないと、自身も従業員も物心ともに幸せにできないですから。そのために、先ほどの人間理解が必要ということになります。人は様々な性格、生まれ持った気質があり、現代「多様性」と言われるように、本来それぞれが個性です。その者同士でどう力を合わせて共通の目的や目標に向かって結束ができるか。縁があって一緒に仕事をする仲間になったのだから、どうしたら未来を共同創造しそれを通じてお客様に喜んでいただけるか。そして、それを一時的なものではなく、いかに継続性を持って、10年、20年、30年、100年と続く会社、事業を作っていくかというところだと思います。

 ――人の違いを擦り合わせて、継続性に結びつけていく。

吉野 はい。ただしその前に立ちはだかるのが「怖れ」です。多くの人は、わからないこと、知らないこと、初めてのことや多くのリスクを感じる状況は非常に怖いと思います。それに打ち勝つ手立ては「知る」ことです。事業について、自分について、また、相手や一緒に働く仲間について、お客様について、そして、事業がなぜ代々続いているのか、お客様がなぜ我が社を選んでくれたのか、なぜ先代が多くの人に支えられて会社をやってきているのか。特に、自分自身については、どんな魅力や才能の種があり、また、課題や伸びしろがあるのかを知ることはとても大事です。そして、その知る過程において、一緒に伴走するガイド役がいるかいないかで、どれだけ探求できるかが異なってきます。そこで私が、その役目を担っているということになります。

 ――会社が一心に生産性を追い求める中で、吉野さんは「それはそうだけれど、ちょっと待って」、「その前に」と一旦止める役割のようですね。そうして会社の根本を確認し、整えて、大きな波にしていく。

吉野 少し足を止めて考えてもらう問いかけ。それは「第二領域」に当てはまると思います。スティーブン・R・コヴィー博士の大ベストセラー『七つの習慣』で、四つの領域が述べられています。第一領域は「緊急かつ重要なこと」。すぐ対処しなければいけない案件やクレーム、トラブルなど、待ったなしの状況のことです。第三領域は「緊急かつ重要でないこと」。後で振り返ってみると、やらなくてもよかったこと。そういうものに時間と心と体を奪われてしまうことってありますよね。そして第四領域。「緊急でもなく重要でもないこと」。無目的で過剰に消費してしまう時間や状況です。これらによって、結果的には、「緊急ではないけれど、本当に大事なこと」、これが「第二領域」になりますが、後回しになってしまいます。例えば、根幹の価値観を明確にすることや、それに基づいた事業の発展計画、それを作るための時間を捻出することなどです。小さな会社の経営者は日々、成果を出すため、問題解決するために自ら動いています。しかし、根幹の「豊かな人間関係」がないと継続的な発展はないですし、生産性が上がらない。でも、コミュニケーションの場があっても、時間があればできるというわけではありません。お互いをわかり合うような対話、ねぎらいがあり、自分らしくいることができて前向きな気持ちになる。そうして、協力して心配事を先回りして対処できる。そういう体験の積み重ねで関係性は築かれていきます。

 ――何重もの問いかけがなされてその会社の根幹が自覚され、人間関係も構築されていくのですね。

煮詰まってもやもやした時に「箱庭コーチング」

 ――吉野さんは、会社にとって、また、人間にとって、根本、根幹を明確にするお仕事を続けてこられたと言えると思います。それにより、ご縁がご縁を呼んで事業が広がって来ました。そしてここに来て、新規事業「箱庭コーチング」を始められました。こちらの今までとの違いは何でしょうか。

吉野 「箱庭コーチング」は、新たに「個人向けサービス」として打ち出しています。

 ――株式会社プロサポートのサービスが、いよいよ個人にも開かれたということですね。では、まず「箱庭」について教えてください。箱庭は「療法」という意味合いで認識している方が多いのではないでしょうか。「箱庭コーチング」も、何らかの治療目的で行われるのですか。

吉野 「箱庭コーチング」は、コーチの見守りとサポートのもと、自分の課題を越えて行く指針を、外からではなく、自分の心の中、無意識の中から見つけていく。そういうプロセスを提供する新しい感覚のコーチングセッションです。そのために、心理療法にも使用されるほどの自分の心を出しやすい「安心安全の場」を作る必要があります。

 ――繊細で集中力が必要なセッションなのですね。

吉野 箱庭コーチングは、自分自身の視野や可能性、柔軟性や自由度を大きく広げてくれるものだと考えています。

 ――それでは、実物ですが。箱庭は四角い枠の「箱」なのですよね。その中に砂があって・・・・・・。ミニチュアのさまざまなアイテムを置いていくという。箱庭を作っていくことを「置く」と言いますよね。それは、自分の心を置く、「自分の現状を表す」ことになるのでしょうか。箱庭を体験するというのは、自分の全体像を俯瞰するような意味合いですか。

吉野 「自分の気持ちを表す」となると、文章を書くことでもそうですが、なかなか難しいですよね。でも、例えばここに人形がありますが・・・・・・(高さ三センチほどの動物のフィギュア2体)。これは本を読んでいるカエルさんのように見えますね。「今の自分はこんな感じだな」と思ったら、気軽に箱庭へ置いてみます。箱庭用の棚にあるたくさんの人形の中から、今の自分の気持ちにフィットするような、しっくりくるようなものはどれかな、と。ちょっと手に取って(高さ10センチほどのウルトラマンのフィギュア)、眺めてみたり・・・・・・。

 ――ちょっと棚を見せてください。

吉野 はい。このように、たくさんありますよ(壁一面ひしめき合うようにフィギュアが並ぶ。棚の横には、高さ180センチほどと見られるキリンの木像があり、目を引く)。

 ――すごい! すごい! こんなにたくさん。大きいものもありますね(手のひらほどの大きさ)。それはフクロウですか?

吉野 はい、そうです。

 ――箱庭を体験する人は、まずこのお部屋に入りますね。そしてこの壁一面のアイテムが目に入りますよね。そして、「わぁ、すごい!」ってなりますよね。

吉野 そうですね、なりますね(笑)。

 ――「わぁ、この中から何選んでもいいんですか?」って、自然と心が動きますね。もしこれが、「心を表現しましょう」、「自分を俯瞰しましょう」と言われると身構えてしまいそうですが、「ちょっと手に取ってみて」だと、確かに入りやすいですよね。

これが箱庭の棚です

吉野 表現するには、このようなアイテムという題材があると、やりやすくなると思うんです。だから、みなさん、楽しく取り組んでいますよ。先ほどから「心理的安全性」という言葉を使っていますが、結果的にこれがそういう場ではないかと思うのです。

 ――今まで吉野さんが心を砕いてきた心理的に安全な場が、楽しみながら実現するわけですね。これは、どのようなときに利用するといいでしょう。

吉野 考えが煮詰まっているようなとき、また、よくわからないけれどもやもやしているときなどに最適ですね。そのようなときは、いい目標が立てられなかったり、問題解決をしたいけれど何だか塞がっているような感覚になっていたりすると思います。

 ――もやもやというのは、今、社会でよく聞きますよね。そういう時に自分の指針、本質に迫っていくということですね。

吉野 結果的にそういうプロセスをたどるのではないでしょうか。

 ――ここでも、人生の流れの中で、「ちょっと一歩止まって」という時間を提供する。そういう意味では、今までの事業からの継続ですね。ところで、皆さんが箱庭を置くとき、コーチの吉野さんはどのようにしているのですか。

吉野 少し離れたところにいて、いくらか説明をしたり、質問をしたり・・・・・・。そんな風にしながら、その方が箱庭を置くのを見守っています。

 ――「コーチの見守りとサポートのもと・・・・・・」ということでしたよね。

吉野 はい。コーチはいくつか鍵になる質問をしたり、考えてもらう投げかけをしたりします。それを心に置きながら、頭で考えるのではなく心のままに箱庭を置いてもらいます。そして、置き終わった後に、その箱庭について対話をしながら自身を見つめてもらいます。コーチはその人の世界を一緒に味あわせてもらう。その中でその人は自分自身を紐解いていきます。

 ――「一緒に世界を味わう」というのが「対話」ですね。

吉野 それによって、自分の中で名前のついていない感情が明確になったり、問題も答えも自分で知っているという感覚になったりもします。自分自身で箱庭に「解決」や「糸口」をちゃんと置いているという場合も多々あるのです。

 ――「箱庭コーチング」は、「プロセスを提供するセッション」ということでした。答えや指針を「自分の内から自分で見つけ出す」というプロセスによって、今まで自覚していなかった視野や可能性も広がるのですね。

「よりよく生きていくため」に大事なものを整理して

 ――「箱庭コーチング」を企業ではなく個人に向けて提供しようと考えられた理由をうかがえますか。

吉野 今おつきあいのある経営者や事業主の方々だけではなく、なるべく多くの方に提供したいと思っているからです。「ショックポイント」という言葉があります。これはエニアグラムの中にもある考え方なのですが、物事を始めたとき、しばらくはうまくいくけれど、あるときに同じやり方ではうまくいかなくなる。その時には立ち止まって、やり方を見直すのが大事です。今、世の中はコロナ禍を体験し、変わってしまった世界をどう生きればいいか、懸命にもがいているショックポイントの真っ最中にいるのではないでしょうか。多くの人が、会社のあり方、働き方に戸惑い、新たな道を模索している。それに加え、生成AIの発展や国際情勢、経済の動向など様々な状況変化の中で、新たなやり方、在り方を生み出さずにはいられない状況となっています。これは企業であっても、個人であっても同じです。

 ――そうですね。

吉野 それは、もちろん私も同様でした。そのとき、箱庭の師匠であるオフィスファーロ・鵜飼柔美代表との「対話」という関わりを通じて、抱えている問題を箱庭に出していきました。すると、自分の価値観や譲れない信念を認識することができたのです。そうして自分の課題を乗り越えていくことができました。これは決して一人ではできなかったと思います。これからどうしていくのか、自分が「よりよく生きていくために」大事なものを整理するプロセスでした。これを必要としている人に届けたいと思ったのです。

 ――本質を見つめ、対話を続けていけば生きて行けると信じられることって重要ですよね。

吉野 昨今、問題は複雑化しています。それが山積みになってきているのが現代ではないでしょうか。それを解決するために頭で考えようとしても限りがあります。理性的に頭で整理ができることなら、きっととっくに問題解決できていますよね。物事はもっと本質的に深く判断する必要があります。箱庭コーチングは「頭で考える」と言う限界を越えて活用できると考えています。 

 ――「心の中」、「無意識」から見つけていくということでした。

吉野 そうですね。例えば、やりたいけれど実際は動けていない。そうであれば、その領域に何かが引っかかっている可能性がありますよね。それを頭でいくら考えてもやれるようにはならないし、その引っかかりが何なのかを見ることもできません。そういう意味で、箱庭には自分の無意識な部分が出やすいと言えます。そうであるからこそ、対話ができるコーチ、ガイド役が関わることも重要となってきます。

 ――最後に、この記事に目を留められた方に一言お願いします。

吉野 ご自身を見つめ直すことや内側から自分を再構築していくことが必要と感じている方は多いと思います。しかし、第二領域の話でもありましたが、忙しさや取っかかりがないなどで、つい後回しにしてしまう。そういう方に気軽に受けていただきたいと思います。こちらをご覧になり、ご縁を感じられたら、ぜひお会いできればと思います。

                       (インタビュー:濱田アキ)


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