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2022年3月15日

今日のココ日(ココルーム日記)
夜のまかないご飯でハンバーグを作ってくれたインターンのカイちゃん。
それを横で見ていた釜ヶ崎のオッチャン、通称ヤマちゃんが「ほぉ、見事な出来栄えやね!」と褒めた。
三度の飯よりおしゃべりが大好きなヤマちゃん、そのまま料理についての自論をぶちかまし始める。
「やっぱりね、料理のうまい人っちゅうのはね、お客さんに出す時は最高に美味しい料理よりわざとちょっと不味くして出すんですよ。」
それを聞いた一同は、ヤマちゃんに同意しかねるといった感じで「わざと美味しくない料理出したらダメなんじゃないの?」と聞いた。
「いや、不味いゆうても美味いんよ。ただちょっとだけベストより落として出すんやけどね。」
「いやだから何でなん??」
僕たちの問いに構わずヤマちゃんは自論を続ける。
「それで好きな人とか友だちには最高に美味しいのを出したら良いんですよ。」
一同はやっぱり解せないという表情で反論する。
「いやいやいや、お客さんにも一番美味しいの作った方が良いでしょ!」
そこでようやくヤマちゃんは僕たちの聞きたかったことに答えてくれた。
「だって大変ですよ。そんなに美味しい料理が作れるっちゅうのバレたら、お客さんたくさん押し寄せてくるから。」
めんどくさがり屋か!
「ちなみにベストの味を知ってる人がお店に来て、お客さん用に出すちょっと不味くしてある料理を食べたら、いつもと違うってバレちゃうんじゃない?」と聞くと、ヤマちゃんは神妙な顔つきでこう言った。
「そうやねぇ。友だちがもし「今日のお前の料理、いつもよりちょっと落ちるな」って言うてきたらね、「う、うん…分かるか。」って言いますよ。」
素直か!
(書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています