2021年1月31日

今日のココ日(ココルーム日記)
ビールを飲み続ける通天閣や、ツイッターで大人気になったたこ焼きを食べ続けるたこ焼き太郎など、自分が飲んだビールの空き缶でクオリティーの高いからくり人形を作っちゃう釜ヶ崎が誇る天才、からくり博士。
優しさとユーモアに溢れたからくり作品の人気は高く、コレクションに加えたいという美術愛好家も少なくない。
そんなからくり博士の傑作たちが船場で開催されている大阪関西国際芸術祭の釜ヶ崎芸術大学の部屋で展示されているのだが、長年の稼働で動かなくなりメンテナンスが必要なものを今日博士がココルームに引き取りにきた。
歯医者帰りだった博士。
「歯石を取るゆうてやってもらったらよぉ、口中血だらけになってな。被せもん外して掃除してまた被せてな。ワシ言うてやったんや。大阪名物掘り起こしかって。よぉ道路掘り起こしてはまた被せとるやろ、大阪」
大きな声で冗談を言ってひとしきり皆んなを笑わせた後、博士は颯爽と帰っていった。
だがしばらくして博士がココルームにいそいそと戻ってきた。
ずいぶん前に小銭入れをココルームに置き忘れてそのままだったことを思い出したらしい。
フロントで保管してあった小銭入れを受け取った博士は、「たしか五円くらい入ってたはずや」と言いながら財布を開いたが実際には一円も入っていなかったらしく、「なんや、財布の底と心の底は見せたらあかん言うのになぁ」と照れ隠しの冗談でまた皆んなを笑わせた。
からくり博士のからくり人形はどれも博士の妥協なきこだわりが凝縮された傑作ばかり。
お近くの方はぜひ船場エクセルビルの釜ヶ崎芸術大学の展示会場で、博士の作品と対面してみてください。
もしかしたらからくり人形を購入できちゃうチャンスがあるかも!?
(書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています