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2022年3月1日

今日のココイチ(ココルームの一枚)
「あー、この雰囲気を写真に撮りたい」
閉店後、明かりを落とした店内に残ってYouTubeにアップするココルームのラジオ番組の編集作業をする僕の隣で、今日から釜ヶ崎芸術大学に宿泊してくれている京都大学の大学院生が言った。
「どうぞー」
僕はそう言って作業を続ける。
事務の出来ない事務局長として、人生で初めて行政に提出する書類や見積もり書などの作成をするようになった。
自分のパソコンにはWordもExcelも入っておらず、簡単な書類一枚作るのだって試行錯誤の連続だ。
「いやいや、こんな作業にここまで時間かけて良いわけないだろー」
そんな独り言を呟きながらパソコンに向かう日々。
毎日ココルームの現場を開いて、来てくれる人たちと正直な心の交流(裸のぶつかり稽古と僕は呼んでいる)をすることが、ココルームとしてまず一番大切な社会でのはたらきだと僕は思っている。
その「出会いと表現の場」を支えているのが地道な事務作業だと頭では分かっていたのだけど、実際にやってみると非常に正確さと迅速さが必要とされるもので、ひたすら勘と気分で生きてきた僕にとってはズバリ苦手分野だった。
そんな僕や僕とよく似たタイプのスタッフたちが作るへなちょこ事務局だけに、最近僕たちは「ココルーム事務局?」とクエスチョンマークを付けて事務局活動をしている。
ただただ人が好きで、人との出会いに正直に向き合い素直に反応することを大切にしすぎて、それ以外のことを自分のはたらきとして生きていく器用さも持ち合わせていなかった結果、ココルームに来てしまった。
そんな一人一人が集まった、まったく事務が出来ない事務局だけど、そんな僕たちでもやれる事務のやり方を生み出せたら、それはそれで事務作業が苦手な人たちにも希望になるような、ユニバーサルな事務局のあり方みたいなものが見えてくるかもしれない。
出来ないからこそやってみる、そのトライアンドエラーの積み重ねの先に、今まで見過ごされてきた古くて新しい「はたらき」を社会の中に浮き上がらせることが一回でもできたら、めちゃくちゃ大変だろうけど、きっと楽しいと思う。
(撮った人:ジオン、書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています