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2022年8月23日

今日のココ日(ココルーム日記)

今日はかなよさんの娘さんがお墓参りに行きたいというので、急遽お店をお客さんとして来ていたココルームの理事やお料理ボランティアのケエコさんにお任せして(笑)、かなよさん以下スタッフ全員で阿倍野にある大阪市設南霊園に向かった。

南霊園には、釜ヶ崎で亡くなった身寄りのない人たちの遺骨が納められている慰霊碑がある。

かなよさんによると、孤独死したり、亡くなった後、一年間引き取り手がいない遺骨はここにやって来るのだという。

雨の合間を縫って墓地に着いた僕たちの前に、無縁者合葬之碑が現れた。

その後ろにはひっそりと刑務所で亡くなった人たちの合葬墓があった。

皮肉にも、そのすぐ隣のエリアは一段高くなっていて、そこに階級上位の警察官だった人たちの立派な墓石が並んでいた。

新しく建てられた慰霊碑の前に集まって、皆んなでお参りをする。

一緒に参加してくれた釜芸の「本間にブックカフェ」一日店長で浄土真宗の元住職の老野生さんが読経をしてくれた。

強い湿気で重苦しい鉛色の空の下、皆んなの声が伝わり始めると、急に気持ちのいい風が霊園に吹き渡った。

僕はつい両手を広げて、その風に全身を晒した。

「いずれお前もこの世界を旅発つだろう」

首筋を撫でながら通り過ぎていく風にそう言ってもらえたような気がした。

(書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています