2022年3月19日(番外編)
今日のココ日番外編
今日から2泊3日の合宿。
はたらきをテーマにさまざまな角度から語り表現をする試みがスタート。
自分のここでのはたらきも問い問われることになることに少し緊張しながら、14時からのイベントに備えて準備をしていた。
ただ合宿中とはいえ、ゲストハウスも、バザーも、カフェも営業しているから場面は次々にうつり変わり、対応していくことになる。昨日の夕飯に残った水菜のサラダに、にんじんをスライスしたものを足しながら、今日は寒い、お茶がたくさん必要だ、大きなやかんでお茶を沸かそうと思いながら、ふとバザーの方を見ると、常連のおっちゃんがいたので、こんにちはーと声をかける。
おっちゃんとじっくり話したことはなかったけれど、いつも品物をゆっくりみて、なにかを掘り出して買って行くのを見ていたから、今日はなにか掘り出し物、ありましたかー?と聞いてみる。
いや、今日はなかったよーと話すおっちゃん。実はじぶんも商売してて…
そう話すものだから、どんな商売です?と聞いてみる。こんなふうに、いろんなものを売っててな、と。ところ狭しと並んだバザーの品物を見渡して言う。そうかーと思って、路上に止められた自転車の荷台に何か乗っているのが見えて、あれ?なんだろうと呟くと、おっちゃんは、あれは今日、買い付けて来たんだと話す。近くで見てみると、オレンジ色の目が光る、長靴をはいたクマの人形だった。この、目がオレンジなところとか、洒落てて、きっといい人形なんだろうと思う。どこのものか調べてもらったんだけど、わからないんだよな。わたしは、そのクマを見せてもらって、どこかにタグなどないか探してみた。おっちゃんも覗き込んでいる。何もないけれど、長靴の後ろにメイドインイングランドって書いてあるね。おっちゃんもうなずく。じゃあね、またね、おっちゃんは荷台にクマを乗せて自転車で帰っていった。その時わたしは、ほっとした気持ちになった。なんというか、そのやりとりのおかげで、ちょっと緊張していたのがほぐれた気がしたからだ。日常は続くんだ。
そういえば、今日の釜芸で、自分が呼ばれたい名前を発表するとき、思わず、日常は続く!と言ってしまった。これは名前じゃない。格言のようになってしまった。特別ではない日常、そんな、なにかに励まされて生きているのかもしれない、そうふと思った。
(書いた人 ふうゆ)