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2022年2月11日

今日のココ日(ココルーム日記)
今日からの三連休が、大阪関西国際芸術祭の最後の三日間。
多くの方たちが今日もココルームや船場エクセルビルに足を運んでくださった。
僕は船場エクセルビルの釜ヶ崎芸術大学展示会場で「釜ヶ崎と表現をめぐる研究会」にスタッフとして参加。
講座は美術家の前川紘士さんによる熱のこもった解説と集中力に満ちたワークショップの二本立て構成で、あっという間に過ぎた二時間だった。
その後、ココルームに戻るまでの二時間で、僕たちは来てくださった方たちとの交流を存分に楽しんだ。
他の展示室でのアーティストの在廊が少ない中、(多分もっとも説明が必要なのが釜ヶ崎芸術大学の展示ということもあるが)僕たち関係者は展示室の四方に散らばって、それぞれ来場者に声をかけ釜芸の活動の説明や作品の解説を聞いてもらった。
人の流れがひと区切りついて、夕食のためにココルームへ帰る支度をする僕たちに、会場の巡回スタッフのひとりが声をかけてきた。
「今日もおつかれさまでした!みなさんがお昼を食べに行かれてる間に小さい女の子が二人、ここに置いてある和太鼓をたたいている姿が本当に可愛くて、それをお伝えしたかったんです」
そう話してくれる彼女に僕たちは心からのお礼を言った。
彼女は続ける。
「この展示室を観られた方たちの多くが、私たちスタッフに直接感想を伝えてくださるんです。最高に印象的だった!とか、ここにいたら心底くつろげてもっとずっといたかった!とか」
彼女が自分事のように嬉しそうに話してくれるので、聞いている僕たちもとても嬉しく思えた。
「釜ヶ崎芸術大学の展示室にいると、皆さん周りの方とも話しやすくなるみたいです」
来てくれる人たちの心が開いていけるような展示になってるとしたら嬉しいことだな、そう思いながら僕たちは彼女に感謝の言葉を伝えて出口への階段へと向かう。
「残り二日間もよろしくお願いします」
そう言って彼女は深くお辞儀をした。
「こちらこそ、最後まで楽しみましょう。良い夜を!」
僕たちは彼女にお別れを言って階段を降り、途中二階に設置された落合陽一さんの作品群が放つ妖しい光を横目に見ながら、お腹を空かせて船場エクセルビルをあとにした。
(書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています