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2022年3月2日

今日のココ日(ココルーム日記)
早いものでもう32回目となった舞台俳優中川圭永子さんによるケエコズキッチン。
今日はゲストハウスの滞在者である青山学院大学の学生さんがサポート役。
甘いマスクにスッと伸びた背筋、スタイリッシュな服装に穏やかな物腰がまったく釜ヶ崎の雰囲気に似合っていない?好青年だ。
コミュニティのことを勉強しているとかで、高校の恩師に勧められて釜ヶ崎芸術大学に泊まりに来てくれたという。
皆んなが「手伝ってくれる学生さんめっちゃイケメンやでぇ!」と言うのだが、我らがケエコ姐さんはまったく意に介さず。
「ごめんなぁ。あたしイケメンとか全然興味無いねん。なんてったって見えへんからなぁ!」と高笑い。
35歳で目の病気を発症し、現在ほとんど視力を失ったケエコ姐さんは、相手の表情が見えない代わりに声の感じでその人の本質を見抜いてしまう。
声音にはその人の社会的な地位や、豊かさや、見た目によるバイアスが一切なく、虚勢を張っているのか本音を話しているのか、たちどころにバレてしまうらしい。
ケエコ姐さんに命じられ、ビシッとモード系スーツで決めたイケメンがスーパー玉出に買い出しに行く姿はかなりシュールだった。
学生さんはケエコ姐さんの命令に従って(表現に若干の誇張が入っております)、ごぼうのささがきをしたり、カボチャを乱切りにしたり、チヂミを焼いたり大活躍。
ケエコ姐さん曰く「彼は筋が良い!」と。
無事に料理作りを手伝い終えてホッとした表情でまかないご飯を食べていた学生さん。
「お客さんやのに色々手伝わせちゃってゴメンね」というケエコ姐さんに、「いえいえ、何も予定立てずに釜ヶ崎に飛び込んで来ちゃったんで、こうやって何かやらせてもらえると嬉しいです」と学生さんは爽やかに答えた。
キミ、発言までイケメンや!
(書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています