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2022年3月20日

今日のココ日(ココルーム日記)
今日は釜芸合宿二日目、朝10時から夜9時まで「はたらくと生きる」を深掘るプログラムが開催され、賑やかな一日となった。
ラジオ体操で体のスイッチを入れたあと、最初のプログラムである「空間マッピング〜あなたのはたらくは今どこ〜」がスタート。
大阪大学の田中均氏のファシリテーションのもと、参加者は庭に出て、体調や気分、朝ごはんを食べたか、など基本的な質問から、徐々に「はたらく」に対する自分のイメージやこだわりなどについて空間マッピングのメソッドに沿って、感情や思考を明らかにしていった。
「待遇とやりがいのどちらを重視するか」という質問では、良い待遇がやりがいを生むし、やりがいが待遇をよくしていくこともある、やはり考え方は人それぞれ、という意見が参加者から出た。


お昼のまかないご飯では、視力をほぼ失った舞台俳優の中川圭永子氏が、息子さんとそのパートナーさんをサポート役に迎えて、親子で揃ってケエコズキッチンをオープン。
息子さんは「久しぶりに母親の料理する姿を見た」と言い、母親は「意外と感動もなくいつも通りインターンの子たちと一緒に料理してる感じやった」と笑った。
圭永子さんたちが作ってくれたちらし寿司は春の日差しを受けて文字通り眩しく輝いていた。

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午後は釜ぷ〜(釜ヶ崎芸術大学運営サポートメンバー)の二人がファシリテーションを担当した実験的ワークショップ「はたらくのもやもやをちょっと飛ばす」からスタート。
まずはセイファープレイス作りから始める。
「ウソをついてもいい」「寝落ちしてもいい」「話がまとまらなくてもいい」「ちょっと自分を出してもいい」など、安心して話ができる環境づくりをしていく。
そしてひとりひとりが働くことにまつわるモヤモヤを打ち明けていく。
それに対して別の誰かがリアクションをとるのだが、それが楽器を鳴らしたり、踊ったり、叫んだり、個性が発揮されて面白い。
最後に自分が言われてモヤモヤしたり傷ついたりした言葉を発表して、それをまるでバレーボールをトスして行くように車座になった参加者たちの間で回していって、また言った本人に言葉を返す、という「ネガティヴな言葉を軽くしていく」という実験でワークショップは終了した。


続いて僕と脳出血による右半麻痺のリハビリに取り組む社納氏との「ココ日とへなちょこリハビリ日記〜はたらく現場と私のバランス・境界線〜」の二日目が始まる。
弱い自分を正直に開いていくことで、自分の体面を守ったままでいる時よりかえって他者との関係性が強まったり広がったり豊かになったりすることや、誰かとの関係に誠実に時間をかけることで、相手のいつもと同じ挨拶のことば一つでも、少し多面的に捉えることが可能になったり、もっと客観的に関係性を理解できるようになることなどが話された。


夕ご飯は圭永子さんたちが作っていってくれた美味しいサバココナッツカレー。
今日の締めのプログラムは、焚き火を囲んでの、釜ぷ〜三名による進行で、現場にたま〜に居ることを語り合う「たまたまの会」。
現地参加者は煙に燻されながら、「自分とココルームとの関係」、自分が考える「そこにたまにしか居ない人」、「たまに行く場所に居る人と自分との関係」などについて自由に話した。
プログラムが終了してもなお消えゆく火を眺めながら、その場を立ち去りがたい参加者たちが交流を続ける場を見て、そこがいい場だったことが伝わってきた。

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明日はいよいよ合宿最終日。
全プログラムが終了し、今年度の釜芸修了式を終えたとき、僕は荒野に佇む自分の姿をしっかり見据えていられるのだろうか。
(書いた人:テンギョー)


現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています