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2022年3月7日

今日のココ日(ココルーム日記)
今朝、店を開けるために店内からバザーの商品を出している時、服が詰まった箱の中から一冊の本が出てきた。
1967年発行の「くじら」という子供向けに書かれたクジラの生態を学ぶための本だった。
裏表紙には作者のものと思われるサインが入っている。
なぜ服の箱の中に本が紛れ込んでいたのかは分からない。
どなたかがココルームのブックカフェに寄贈してくださったものなのか、はたまたどなたかバザーに置いていってくださったのか。
ココルームのバザーには、時々もう読まなくなった小説をまとめて置いていかれる方がいる。
こちらで自由に使ってください、ということなのだろうけど、その方が本を置いていくところを見たことはまだない。
先日は、大きな柑橘系の果物をバザーの商品棚にひとつ置いていってくれた方がいた。
忘れ物かと思い他の人たちに相談すると、たまにそうして黙ってココルームに差し入れを置いていく人がいるとのことだった。
バザーではよく来るお客さんから「いつもありがとう」と言われることが時折ある。
「こちらの方こそいつもありがとう」とお礼を言うのだが、ココルームを応援してくれる人たちがいることに元気をもらう。
釜ヶ崎は人情の街だが、いつも分かりやすく心の交流が行われるわけではない。
初めて言葉を交わすオッチャンから「いつもおそまで頑張ってんなぁ」と商店街で声をかけられてビックリしたこともある。
静かに見守ってくれている人情もまた、日々を生きる励ましになるのかもしれない。
(書いた人:テンギョー)

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています