鴻上尚史

私的ラジオスーパースター烈伝⑥鴻上尚史

今回のラジオスーパースター列伝は劇作家の鴻上尚史さんです。鴻上さんは、演劇活動のかたわら、1983年(昭和58年)10月15日から1985年(昭和60年)3月30日までニッポン放送のラジオ深夜番組「オールナイトニッポン(金曜深夜2部)」のパーソナリティを担当し、「日比谷公園でジェンカ」「裏コピーコーナー」など伝説とも言われる独創的なコーナーを生み出しました。

また、1987年(昭和62年)10月17日から1989年(平成元年)4月1日まで担当した「オールナイトニッポン(金曜深夜1部)」での「究極の選択・どっちを選ぶ」「10回クイズちがうね」といったコーナーは、他のテレビ・ラジオ番組などで取り上げられるほど流行りました。

金曜二部時代は、ちょうど大学時代で、深夜まで起きて窓際までラジオをもっていってニッポン放送の電波を受信して聞いていました。冬場はまだいいのですが、夏場は夜明けがはやいため、終盤になると電波が拾いにくくなって、聞くのに苦労したのも懐かしい思い出です。

広島にいた私はまだ見ぬ日比谷公園に思いをはせつつ、いつかジェンカを踊りに行きたいと思っていましたが、それはとうとう叶いませんでした。でもあの時代のラジオを楽しませていただいた恩はいまだに忘れられません。

ちなみにデーモン閣下と出した十回クイズのカセットは今でも実家に眠っております。

鴻上さんといえばラジオのエンディングで「いい夢を見るんだよ」と言って終わる、というのが2部時代からのパターンでした。

これが1部になってからは「泣かないように、負けないように、いい夢を見るんだよ」となっていました。しかし当然その後に2部があるため、2部のパーソナリティ、リスナーから「3時で寝てくれなんて事言うなよ」みたいなクレームが付いたという話もあります。

でもこの言葉に当時の私はずいぶん救われました。今は人生相談で様々な方のお悩みに寄り添っていらっしゃる鴻上さんですが、その原点はここにあると私は思っています。

鴻上尚史


両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。