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【第ニ章】人形

じっとしてられない私は客間を後にし、気になっていた和室へと足を向けた。

客間に案内されているときからずっと和室を見ていたのだが、手前の部屋の和室は光が差し込み風が通るようにされているのに、その奥の和室は襖が閉められ、さらに縁側の方の障子も閉められ光が入らないようにされていたのだ。

私の好奇心がうずく。

何が準備されているのか…
私は辺りを見渡しながらそーっと襖を開ける。

薄暗い部屋、私は目を凝らしゆっくり視線を這わせた。

床の間には立派な掛け軸と兜のようなものが飾られており、視線をずらしていくと大きな立派な仏壇がある。

ゾクッ…

背筋に冷たい何かが走り息を呑む。

仏壇の横には日本人形が4体置かれていた。
男の子が3体と女の子が一体。こちらを見ているようで、無表情なのが一層不気味さを覚える。

そんな時玄関の引き戸が勢いよく開き

「ただいま!」

と元気な声で入ってくる20代くらいの男性が三人、女性が一人入ってきた。

やっぱり私には見覚えがない人達。
不気味な人形に不安を覚えたからか「私帰っちゃだめなのか?」そう思いながら彼らを見ていた。

続く

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