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幻想歌謡曲的名盤『月と太陽/Blüe』


ずっとこのCDでレビューを描きたかったのですが、noteを書く余裕が無かった為書けていませんでした。時間を作れたので書いてみます。

今回はBlüeの「月と太陽」(1996年発売)についてのレビューです。
フォロワーさんに教えていただいた、自分の初BlüeがこちらのCDになります!
このCDと出会ったことにより、V系における自分の音楽の好みを改めて理解する事が出来たような気がします。
そのくらいに本当に買って良かった作品です。
まだ聴いたことの無い人にも良さが伝わる、興味が持てるようなレビューが出来たらなと思います。

01. Overture"蒼空の彼方に…"

KreisレーベルのCDを幾つか所持していますが、SE曲から入る事が多いですよね。お決まりなのでしょうか。と、言う事でこちらはSE曲となっています!が、歌詞カードには詞が…(YUKIYAさんによるものだそうです。)

まさにタイトル通り、青く澄み切った、高い空を感じる、どこかファンタジーチックな楽曲です。
自分は大乱闘スマッシュブラザーズをこの楽曲に感じました。何となく、任天堂のゲームのはじまりのBGMなんかで使われているようなアレンジ…
キーボードを全面に押し出した、天空の空気感を感じられるような1曲です。ジワジワとした2曲目との繋ぎにワクワク感がありますね!

02.月と太陽

自分がBlüeで初めて聴いた曲です!この曲は何度も聴く度に癖になってどんどん好きになっていくスルメタイプでした!
幻想的だけど淡くなり過ぎず、気持ちの良い疾走感も有りな、コントラストとメリハリがバランス良く付いている楽曲!
1番と2番でメロディが絶妙に変わる部分があるのがポイントで、「こう来るか!」と言ったメロディラインのセンスの高さを伺えます。

今作ではボーカルを1代目のSHIGEさんが担当しています。のちにキーボード担当のTETSUさんと ENDLESSで活躍されます。(今後ENDLESSの音源のレビューも予定しています!)
SHIGEさんの声はどこまでも突き抜ける様にクリアで真っ直ぐとしていて美しいのが強みであり特徴だと思います。私はSHIGEさんの声を「天空(そら)」と例えています。

そしてこちらの楽曲ではゲストボーカル?としてみんな大好きYUKIYAさんが参加しています。
SHIGEさんとYUKIYAさんの違ったタイプの声の対比が面白く、そして情熱的なものを感じます!
秒数は短いものの、その短い掛け合いの間に壮大なドラマが繰り広げられているようです!

03.rain

本当に出会って良かったV系楽曲のひとつです。
個人的な意見になってしまいますが、今聴いても古さを感じ無い楽曲だと感じています。それはやはり楽曲のクオリティの高さと秀逸なアレンジにあるかと思います。

雨音から入るこの楽曲ですが、現実よりもどこかファンタジー、とにかく幻想的で神聖なアレンジが施されています。イントロからの艶のあるギター、世界観の枠組みを縁どってくれるかのようなベース、シャンシャンと特徴的で疾走感のドラムは地に落ちて散らばる雨粒を感じさせ、なにより重要となっているのはキーボード。高音は反射して煌めく光の粒だったり、美しい虹だったりを連想させます。

この楽曲を聴いていて連想する情景はただただ雨が降っているだけでは無く、雲間から降り注ぐ陽の光や虹だったり、そういったものまで感じられます。
無から有を作る、音楽を作る人の凄さを改めて実感しました。

04.ガラスのように…

印象的なドラムからイントロがはじまる楽曲。
こちらのCD、どれもキーボードを多用して幻想的で美しいといった点は一致していますが、似たり寄ったりにはならず、それぞれの世界観が確立されていて、それでいて統一感は感じられる作りになっているのが凄いですよね。

色彩やデザインの世界で例えると色相やデザインは違っても素材やトーンは近しいものがある…と言った所でしょうか…。
(筆者は色彩検定の次の日にこの記事を作成しているのでまだそちらの世界に取り残されています。)

CDに入っている楽曲4曲の中で、1番現実世界の空気感を感じるといいますか、近くで寄り添ってくれるような楽曲です。
何処かノスタルジーで、昔の大切な思い出なんかを美しい形で思い出させてくれるような穏やかなテンポと落ち着いたアレンジ。分かりやすいV系らしさはあまり感じられない曲かもしれませんが、V系音楽の可能性や広さを知れる1曲かと思います。

キーボードはデジタルサウンドチック!と言った感じの物ではなく、ピアノに近いナチュラルな音、ギターの音からは哀愁が感じられます。
あとこの曲のベストポイントはサビ後の4音のキーボードでしょうか…!センスがピカイチです。
最初にこの曲を聴いた時に、流れるようなメロディラインに惚れ惚れしました。サビがいくつもあるような作りが面白いですよね。

この曲を聴くと、少し曇り空の下、海の浅瀬を連想します。昔自分が行ったような、はたまた全く知らない誰かの記憶の中のような…不思議な感覚です。
メンタルがやられてる時なんかにこの曲を聴いてついつい泣いてしまうなんてこともありました。そういった事もあり、凄く好きだけど他の曲と比べて聴く機会が少なくなってしまっていました。noteを書くにあたってリピートで聴いていますが、やはり良い曲です。全体的に鳥肌が立つような清らかな音作りがされていて、自分という存在が浄化して消えてしまう…このままこの美しい白の空気とひとつになりたい。

まとめ

幻想歌謡曲的名盤とタイトルにつけましたが、
全曲レビューしたところでこのタイトルをつけた理由についてお話します。

こちらのCD、特に歌入りの楽曲に対して、自分はV系ぽさよりも懐メロや歌謡曲、70~80年代なんかの昔のフォークだったりの空気感や要素を感じていました。
「ぽさ」を感じただけなので、はっきり「コレ!」と言えるものは無いのですが、しっかりとしたメロディラインだったり、クリアで情熱的な歌い方、哀愁ある演奏だったりが通じるものがあるのかなと思いました。

特に注目した点は「コーラス」です。
メインボーカルに、コーラスが複数重なっている部分がどの楽曲も印象的です。
自分はこういった部分になんだかTHE ALFEEを感じました。THE ALFEEはボーカルが3人いてハモリやコーラスが特徴的なので、それに通じるものを感じました!

歌謡曲をロック且つ耽美なV系の世界に落とし込んだような唯一無二の作品で、SE1曲+歌モノ3曲の合計4曲入りのシングル作品ですが、満足感の強い、買って損をしない。いや、買ってよかったと思える素敵な作品でした。
この音源を世に出してくださってありがとうございますといった気持ちです!

このレビューを読んで、改めてこのCD聴いてみようだったり、買ってみたいな、聴いてみたいなって思ってくれる方が1人でも増えてくれたら嬉しいです!

ここまで読んでくださってありがとうございました!

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