「パシフィック・リム」、君はどっちが好き?

湖己Pです。
皆さんは「パシフィック・リム」という映画をご存じだろうか。
簡単に言うと、ロボとでかい怪獣が終始ドンパチやる映画だ。
この映画、一応シリーズが2作存在するのだが、これがまたビックリするくらい別物。いくら監督が違うにしても、ここまで差異があることってあるのかよ!って思うほどである。

今回はその1作目、2作目の好き嫌いの別れようについて自分なりに思ったことを書いていく。駄文になると思うが腹を立てず見守ってほしい。

「君は2作目を見たのかい?」

私が受けているオンライン英会話の講師と、レッスンの中で好きな映画について話したことがある。お互い「トランスフォーマー」シリーズが好きなので、自然とロボ映画の話になったのだが、そこでパシフィック・リムも俎上に上がった。以下はその会話の大まかな内容だ。

わし「いや~、パシフィック・リムも3年前くらいに観たんですけどね......画面は暗いし話がちっと分かりずらかったし.......イマイチでした.......」
講師「君は2作目(アップライジング)を見たのかい?あっちのほうがスタイリッシュで見やすいし、面白いよ~」

成程と思い、そのレッスンから2か月くらい経ってやっとこ見てみた。
確かに、こっちのほうが見やすい。評判はこっちのほうが悪いけど、個人的には前作より気に入ったぞ......そう思って前作をなんとなく思い返してみれば......あれ!?これ全然別モノじゃねーか!!!

まず今回は怪獣成分が少ない。戦闘シーンも前回がほぼ夜間での撮影だったのに対し、今作は昼間の戦闘がメイン。ロボットのデザインも前作のようなややキワモノ寄りの物から(おい)スタイリッシュなものに変更......

同じ映画シリーズなのに、見た感覚がだいぶん違った。

怪獣特撮か、ロボットアニメか。

思うに、「パシフィック・リム」シリーズは、どちらが良い悪いというのは本質的にはあんまりないと思う。どちらも「男の子がやりたいことをハリウッドの予算で好き放題やった映画」。ストーリーの良し悪しよりアクションシーンの映え、ってよくあるパターンだ。

ですが、おそらくこの2作品を手掛けている監督が違うこともあって、その「男の子」の嗜好はだいぶ違う。よってどういう映画になるのかというのが変わってきたのでは?と思う。

初代は怪獣と重厚感溢れるロボットとの殴り合い。新作は基本ロボvsロボ、最後は大怪獣とスタイリッシュロボのバトル。
このうちどちらを好むかということは、我々受け手のバックボーンによっても違う。私とその講師はお互い(実写版含め)トランスフォーマーのファンだ。よってどちらかと言えば、ロボと怪獣がズシズシ殴り合うよりも、ロボとロボ同士が人間のように喧嘩しているほうが見やすい。
デザインに関しても、シンプルでスタイリッシュな方が好みだ。

しかし、前作に怪獣映画としての魅力を見出したファンにとっては、あるいは旧来より「ゴジラ」に代表される怪獣映画を愛してきた者にとっては―
「アップライジング」は、変わり果てた駄作にしか見えぬだろう。
私にとってスタイリッシュに映るものは、彼らにはただ軽薄にしか映らぬ。
逆に彼らにとって魅力的に映るものは、私には冗長に映る。

そりゃそうだ。
この関係は、言うなれば「家系ラーメンとあっさり醬油ラーメン、どっちが好きか」という問題と同じである。
両者はともに「ラーメン」という共通のプラットフォームの上に属する。
しかしその味付けも、細かな製法も異なってくる。もはや両者を同じ食べ物としてみなすことは難しい。
しかし、どちらの方が明確においしい、ということはない。ただただ個人的な好みの問題だ。「パシリム」の2作はこの関係と似ている。
他シリーズの間の論争と異なり、どっちが決定的に優れているということではないと思う。ただただ味つけが違うだけなのだ.......と思いたい。

バーで政治と野球と宗教、それと「パシリム」の話はするな

「バーで政治と野球と宗教の話はするな」という社会人の格言がある。
これらのトピックは個人にとって大幅に趣向もバックボーンも違うから、口にするだけでも思わぬところで諍いを引き起こしかねないからだ。
個人的には、ここに「パシリム」も加えたい。

この2作は別物だ。どちらが良い悪いということもない......と思う。(世論では初代派のほうが優勢らしい。が、私のような変わり者もいるのだ......)
それゆえ、不用意に「パシリムは初代こそ至高!2代目は駄作!」なんぞ酔った勢いで口にしてはいけないだろう。多くの人は初代を好む。しかし、君の隣の、後ろの席の人間は......ロボットアニメと「アップライジング」の愛好家であるかもしれないからだ.......余計な争いは避けるに限る。
(もちろん、逆も然りである。)

ここまで散々「アップライジング」の肩を持つ形で書き進めてしまった。
これに関しては初代のファンに対しては謝意を述べたい。1作目も迫力があって好きではある。海中での最終決戦は出色であった。しかし、「ゴジラ」などの怪獣映画を1作も見たことがなく、今後も見そうにない私にとっては、どちらかと言えば2作目のほうが受け入れやすかったのである。

これを機に、今後時間があれば1作目に関してももう一度確認しておこうと思う。さすがに3年前の記憶だけで物事を決めつけるのはよろしくない。
それをもって改めて、自分の中でこの問題はある程度決着を迎えるだろう。

最後に一言。みんな2作目最終盤で気になったであろう点について。
「東京から富士山、そんな近くねーよ!!!!!!!」
(正直言うと、「アップライジング」の最終決戦は日本の描写だけでも大幅に評価を下げている点はあると思う......特に我々日本人にとっては。)


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