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『哲学』の散歩道 Vol.13「システム」論Ⅶ


1)意識の次元上昇

前回は平面的な理解として「こころの立体モデル©︎」の概観をした。

特に、内面外面、内部外部の違いをご認識いただけたであろうか。

繰り返しになるようだが、平面的な見立ては単なる平面的理解に留まりやすい。

今まで「心身」や、「善悪」「白黒」「昼夜」「上下」など平面の中で二元的に語られるお話を中心にしてきた。

しかし、今や時代は三次元。

3Dテレビや3D映画など、現実の世界は、既に三次元的解釈を必要とされている。

「こころの立体モデル©︎」も立体を意識したモデルを構築する時代に差し掛かったことで生み出されたツールである。

『哲学』の散歩道では、もう一度、平面的な解釈を崩すことなく、そのままそれらを用いて、3次元以上の多元的解釈を展開していく。

既にご参照いただいているように、「居心地の良い場所」とは「認識」や、その場における「意識」の持ちようでいかようにも変化する。

この「意識」の成り立ちを知らなければ、本当の「居心地の良い場所」には至ることができない。

一方で仏教は、その変化は無常であると教えている。

無常は常ならぬ事。

常に世界は流転し、全ては回転の中にある宇宙の姿を見ればある程度納得できる。

しかし、その真の姿を見るには、少し違った角度からの観察が必要だ。

それが「意識の次元上昇」のお話である。

この解説で、私たちの「意識」そして思想や生き方を変える「智慧」が展開する姿を見ることになるだろう。


2)次元上昇とは

はじめに簡単な次元のお話。

ある「点」を見ようとするとき、私たちはその「点」から離れなければ見ることができない。これは観察の視点のお話で、私はこれを「視点命題」と名付けている。

一般的に「点」は0次元と表現する。そして1次元は「線」だ。そして2次元は「面」を表現し、3次元は「立体」を生み出すとされる。

この関係性から説明しよう。

① まずは「点」の話。

そもそも、ある「点」の中にたたずんでいる限り、「点」の確認は不可能だ。つまり、0次元の「点」を認識するにはもう一次元高い視点から観察する必要があるという理屈だ。

つまり、意識がもう一次元上昇していなければ「点」を認識することはできない。これが、意識における視点と次元上昇の話だ。

次に「点」から視点が離れていくと、点(見られる側の点:これを視点とする)と点(見る側の点:これを視座とする)を結ぶ「視線」が現れる。

② つぎに「線」の話。

この「視線」は意識されない場合が多い。はじめの視点視座を結ぶ「線」だ。一般的に、観察者はこれを「意識」しない。点と視点は同一方向にあるため、「視線」は認識されにくいからだ。

私はこれを、個人的に「視認」による『残像』と呼んでいる。

一般的に観察者は、眼前の「視点」に集中しており「視線」の存在には気付きにくい。

しかし、ある時、その視線に気付く。それは観察者に与えられた興味か、自然の摂理か、あるいはその他何らかの理由により観察者は視線が生み出した「線」を見ようとする。

※ この興味は一般的に、確認という慣習や習わしの印象がある。要検証。

その「線」を確認するには、さらに「視座」を移動する必要がある。視座をずらしてみる。


すると新たな視座は『残像』意識の「線」を観察できるようになる。視座は「線」を離れた位置から確認している。

この「線」を見る視座の移動は、そこに「面」を出現させる。

③ そして「平面」の話。

先ほどの「視線」の『残像』意識と同じように、この「面」を観察者は認識しにくい。

この時点で「線」は1次元、観察者の視線は「面」を生み出し、無意識的な二次元の意識段階に到達している。

次の視点移動は、面を認識しようとする意識により生じる。『残像』意識として残る三角形の面を確認する作業だ。

そこで視座の上昇が起こる。

視線の移動と新たな視座が生み出した平面を観察しようとする視座上昇により、底辺が三角形の面を観察するピラミッドのような正四面体が生じる。

ここに無意識的な立体構造が現れる。

④ 最後に「立体」の話。

これらは、以下のような視点命題を繰り返している。

0次元から1次元の視座の移動。
これは離れていく段階。
前後の動き。
1次元から2次元の視座の移動は、
視線が水平に移動する
左右の動き。
2次元から3次元の視座の移動は、
視線が上昇していく
上下の動き。

これは幾何学的に定義される。

次回、『哲学の散歩道』 Vol.14「システム」論Ⅷでさらに詳細をご紹介しよう。

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