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『娯』「娯楽長樂」ーこころのエンタメー

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呉は、口(さい; 祝詞を入れる器)を持ち巫女が舞う姿。巫女が神を楽しませたことから『娯』。『鬼滅の刃』、『君の名は。』からこころ模様を学ぶ!
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#こころ

『鬼滅の刃』 現代の鬼再び 2邪鬼の情

この記事が含まれているマガジン 1)邪鬼の回顧「鬼滅の刃」では、「鬼」にされた人間の過去を回想するシーンがある。それらには共通した心情がある。 それは、果たされなかった過去の願いや想いがあったことだ。当たり前の日常の何気ない小さな幸せ、しかし、それすら叶わず、人知れず無念を感じた心情。 その想いは、はじめは些細であっても、他人に蔑まれ、詰られ、大切な人にさえ無視されながら、次第に大きな怒りへと姿を変えていくことがある。 そういった心情に、嫌になるほどやるせない気持ちと

『鬼滅の刃』 現代の鬼再び 3剣士の自我

この記事が含まれているマガジン 今回は、善逸、伊之助の物語上の役割について、心理学的な観点から話をしていく。はじめに、物語から読み取れる過去の生い立ちや経緯から、二人の性格傾向について触れる。 1)善逸の自我善逸のキャラは、非常に怯えやすく、恐怖を前にして慄き、絶叫する。いうなれば単なる「ヘタレ」だ。 作品ではこれらの感情を極端にコミカルに描く。おそらく原作者も本能的に描いているこの演出は、結果的に陰性感情に対する好転作用が生み出されることになる。そして、善逸の隠された

今一度、振り返る『君の名は。』から、こころ模様を学ぶ 第三回

note マガジン『娯』 シリーズ「君の名は。」 胸キュンとは? 第三回 音楽とのコラボ  さて、これでnote版 マガジン 『娯』『君の名は。』シリーズも最終回となりますが、今回は映画に使われている楽曲を交えて作品全体の感想を記したいと思います。私は特に音楽の専門家でもないですし、音楽的な知識もあまりないのですが、とにかく感じたことを、ここに残していきます。 印象的な楽曲ⅰ)タイトル曲『前前前世』 私がタイトル曲を初めて聞いたのは、空の上だった。機内番組の『ANAホ