神聖ローマ帝国の”盾”ルードヴィヒ・ヴィルヘルム生誕300周年記念金メダル
はじめに
神聖ローマ帝国の”盾”と讃えられた人物の生誕300周年記念として発行されたアンティークコインのご紹介です。
ドイツならではの美しいデザインに、金の輝きが映えるコインです。
アンティークコインとしての概要
直径50㎜、71gというサイズ感に表現される活き活きとした質感の騎馬像、そして精巧に描かれるラシュタット宮殿の全景像が非常に美しいドイツコインです。
コイン鑑定機関PCGSでの鑑定枚数はわずかに6枚であり、SP64+の1枚に次ぐ準最高鑑定品となっています。
総発行枚数は不明ですが、近代発行にも関わらず鑑定枚数が限られていることから、少数発行であったことが推測されます。
生誕300周年を記念されるほどの人物を描いている事も相まって、コインの価値を決める三代要素①希少性②グレード③人気のどれを考えても不足なく、今後を楽しみにできる一枚といえます。
加えて、モチーフに描かれたストーリーも魅力的なものとなっています。
「帝国の盾」ルードヴィヒ・ヴィルヘルム伯
ルードヴィヒ・ヴィルヘルム伯は神聖ローマ帝国の領邦君主であると同時に、生涯を戦に捧げた軍人でもありました。若くして軍才を発揮したルードヴィヒはオスマン帝国・フランスという列強国との戦いを重ね、その多くを退け、祖国防衛に尽力した逸話が遺されています。
赤い外套を羽織り、騎乗で指揮を執りながら戦場を駆けまわる姿が将兵に語り継がれ、「帝国の盾」という異名で讃えられたそうです。
更には軍才に留まらず、美的センスにも優れていたようで、戦争で傷ついたバーデンの地からラシュタットに首都を移す際にバロック様式の最高傑作・ヴェルサイユ宮殿をモチーフとした宮殿を建築させています。
これがコイン裏面に描かれた美しきラシュタット宮殿です。晩年のルードヴィヒが最も愛し、彼が没した場所でもあります。
祖国の英雄を美しい金メダルという形で讃え、後世に遺すのは中々粋な行いに感じられます。また、手のひらの1枚から沢山の意思やストーリーを感じ取れるのもアンティークコインの魅力です。
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