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息子が独立した日

息子が独立した日、私は家にいなかった。
そのとき息子は23歳だった。

「俺が家を出るとき、いてくれなかったよね。見送りしてくれなかったよね」

しばらくしてから、息子にそう言われた。
夫は
「男だし、そんなのしねえだろ」
私も
「そうだよね」とその時は思っていた。

でも
本当は違っていたみたい。


子どもはいつか巣立つもの。
そのときに残された夫婦が仲良くしていなければ寂しい思いをする。
だから子どもより夫を優先にして生活してきた。そのせいか夫婦仲は良好💕 とっても仲良しだ。


でも正直、本当のことを言うと
30代で離婚したときの私は、子どもがいないと生きていけなかった。子どもたちが大好きで、本当はベッタリした関係でいたかったのだ。

とくに中学生、高校生になると、息子も娘も一番居心地のいい話し相手になってくれた。さらにテレビを見る時は、テンションが同じなので子どもと一緒が一番楽しい。

だからこそ余計、ベッタリしないように意識していた。



息子が独立するとき、本当は寂しかったのかもしれない。
見送ったら、泣いてしまうかもしれない。

だからわざと冷めた態度をとっていたんだと、その後じわじわと心の中に広がって寂しさを感じた。


男の子は、独立したらお嫁さんをもらい、そこで家庭を作る。私が必要以上に関わると、彼らの家庭がこじれる。私の経験上、そうなる確率が高い。

だから最初から、なるべく距離を保っていたのだ。

要は、子どもに依存すると、子どもたちに迷惑をかけるから。



4、5日は洗濯しながら一人で泣いていた。
「お見送りしてあげられなくてごめんね…」

いつまでも泣いていても仕方ないので夫に言った。

「息子がいなくなって、寂しいです。心に穴が空いたようです。私はこの穴をあなたに埋めて欲しいから、よろしくね」

夫は驚いたようだったが、一応了承してくれた。

その後、夫が特別に何かしてくれたわけではないが、何も変わらずいつものようにいてくれた。夫は優しい。その優しさにいつも感謝している。


ココ育家族新聞『MURATA TIMES』より



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