【小説】父の変態が暴かれる

長女の梨香は大阪でひとり暮らしをしている。

毎週日曜日には
近況報告をかねて
電話をくれるが

欽一さんはひそかに
それを楽しみにしている。

土曜日を日曜日だと勘違いして
「あれ？今日はりーから
電話がなかったな〜」と
ぼそっと言う。

それでも楽しみにしていることは
わからないようにしているつもりなのだ。

そんな娘大好きな欽一さんの生態が
明らかになった事件があった。

ある日

娘が
「部屋の模様替えをしたよ〜」と
自分の部屋の写真を送ってきた。

送ってから本人も気づいたようで
「ブラジャーがあるけど…」
と伝言付きで。

欽一さんはすかさず

「ん？！ブラジャー？！」
と送ってきた写真を
拡大して探し出した。

私が
「変態じゃ〜ん」というと
開き直って「そうです！変態です」
と言いながら探し続ける欽一さん。

「ゲームだよ、ゲーム」と言って
楽しそうに探している。

私は「みんなに言っちゃおう〜」
家族LINEで報告。

「欽ちゃん
ブラジャー探してます❗️変態です」

すると

「マジか…」本気で焦る欽一さん。

「いやいや、マジで焦るって
そっちの方が怖いわ」私はそう思った。