VTuberに感化されて純文学を読んだ話〜おいしいごはんが食べられますように〜


お久しぶりです!桜庭心葵です。

今回は今までの文豪の作品ではなく、直近の芥川賞受賞作、

おいしいごはんが食べられますように/高瀬隼子

についてお話しようと思います。
まず、これを読んでみようと思ったきっかけのVTuberさんについてお話しようと思います。今まで紹介した2作品はどちらも九埜織人に感化されて読んだ作品だったのですが、今回はにじさんじ2期生、家長むぎちゃんの配信にて紹介されていたものです!
家長むぎちゃんはとてもリスナーに寄り添った素敵な配信をされるので、是非見て頂きたいと思います。
さて、今回私が感化された該当アーカイブはこちらです⤵︎ ︎

このアーカイブでは事前に募ったこんな本が読みたい!というリスナーさんに沿った本を紹介するという配信です。様々な本を知れる機会になると思いますので、何読もうかな~なんて考えている方は是非!

家長むぎちゃんはこの作品を読み、自分の無知を実感した(意訳)と仰っていました。おいしいごはんが食べられますように、という何ともハートフルに感じるタイトルから無知を実感する?と読む前の私は何となく違和感を感じていました。

そして、読んだ後の感想として。

大人…なりたくねぇな…。

他人の認識と自分の認識は少なからずズレていることがある。それでも価値観が同じ人といること全てが幸せなのではない。そのようなことを感じる作品でした。

この先大きめのネタバレ含みますのでネタバレなしで読みたいという方はここでブラウザバックお願いします!

主な登場人物は二谷、押尾、芦川の3人。
二谷は芦川と体の関係を持ち、そこから次第に付き合います。
芦川は可愛くて愛嬌があって、どこか守りたくなる存在。二谷はそういう人を好きになる傾向があります。
押尾は仕事が出来て頑張り屋。その一方で芦川さんだから仕方ない、で許されて職場のみんなから守られている芦川さんが苦手でもありました。

そんな3人のどこか不安定な人間関係が食事、食べ物を通して綴られています。
二谷は付き合っているにも関わらず芦川の作ったお菓子を1人こっそり潰して捨てたり。
押尾と二谷は価値観は合うけれどそれまで止まり。
高校生の私にはまだ理解できないところが沢山ありました。
大人になったら、分かってしまうのかなとそれはそれで寂しい気持ちになる気もします。

『力強く生きていくために、みんなで食べるごはんがおいしいって感じる能力は、必要じゃない気がして。』
作中に出てきたこの文章はとても心に残っています。
同調圧力に任せてなぁなぁにしながら生きていく世間とは裏腹に、美味しくないって思う人間がどこかにいることを何となく忘れてはいけないと思った一文でした。

大人になってからもう一度読みたい作品だと思いました。

またなにか読んだら書こうと思います!
ではまた!

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