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原田マハ『デトロイト美術館の軌跡』を読んで

原田マハさんの本を初めて読みました。

前から本棚に置いてあったけれど読んでいなくて
あやりんが「美術好きな人なら原田マハさんが面白いらしい」と教えてくれて改めて手に取った本

この本はデトロイト市の財政破綻の中で
まちの美術の存在意義を考え直すストーリーでした。

市の財政を立て直すために
美術館のコレクションを売り払うか、守るか

美術館やアートの価値、存在意義を
考えさせられる作品でした。


デトロイト美術館に所蔵されている
セザンヌの作品をめぐって、
しがない老人、寄贈者、美術館キュレーターの
3人の人物それぞれの想いが描かれ、
最終的にそれらが交わり奇跡を起こすという物語

この本の中で最も印象的だったのは、
老人フレッドのこの言葉です。

「アートを愛する気持ちは、金持ちだろうが貧乏人だろうが、どんな肌の色だろうが、関係ありません。」
(p.88)

当たり前のことなのかもしれないけれど、
じんわり心に響きました。

町のアフリカン・アメリカンの老人と、
裕福な美術館支援者

身分も肌の色も全く異なるけれど、
「アートが好き」
「セザンヌの『マダム・セザンヌ』が好き」
この気持ちは同じだというのが素敵だなと...


何よりすごいのが、
セザンヌの作品を見る目の描写。

私はこの作品を生で見たことがないけれど、
老人フレッドと、作品の寄贈者ロバートの感想を読んだだけで、
実際に作品を生で見たかのような感動が伝わってきました。

んー、久しぶりにゾクゾクするほど素敵な作品を読めたのに、上手く感想を書けない...😥

1時間くらいで読んでしまえるほどかなり短編なので、ぜひ一度読んでみてほしい傑作です。

アートが好きな人もそうでない人も、
ゆっくり美術館に行きたくなるような本です。

とりあえず私はすぐに原田さんの『常設展示室』を買いに行きました(笑)
きっとすぐ読み切るので、また感想書きます📝

いっときは原田さんの美術シリーズを
漁ろうと思います🙄

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