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自分なりの学びを引き出すミュージアムのひみつ🪄

最近は休みの日の朝にWSDの動画を観ることが日課です。
正直当たりハズレあるので、ボーっと流し聞きの時もあるのですが、今回また良い動画に巡り合ってしまった…。

日本科学未来館 展示スーパーバイザーの内田まほろさんという方の「対象者を意識したコミュニケーション」というテーマでのお話。

最近リニューアルした日本科学未来館で、年少者から高齢者まで訪れる中でどのように「見たい」「知りたい」を引き出すか?をデザインや設計の視点で語っていただきました。

その中でも刺さったのが、「とらえ方を押し付けない」ということ。
レクチャー型の学びとは異なり、ミュージアム型の学びでは、学び方や学びの内容が参加者にゆだねられてしまいます。

ただし、展示の導線を固定化することによって(特に未来館は宇宙や世界について扱うことが多いこともあるので)見る人に世界のとらえ方を押し付けてしまうため、なるべく導線を作らないようにしているのだそうです。

ほかにも、未就学児も楽しめるスペース「おや?っこひろば」は、こどもが広く好奇心を持てるようにすることを狙いとしているのですが、「親は先回りしない」という親向けのルールがあるそうです。

子供が考えこんだり手が止まったりすると、どうしても教えてあげたくなるものですが、こどもの時間軸に合わせて見守ることで、子供の「やりたい」を引き出す仕掛けなんだとか…。

ワークショップデザインにおいても、その人なりの学びを持ち帰ってもらうことと、学びの導線を引いてあげることの塩梅はすごく難しいなと思います。

そりゃもちろん、参加者が自然と?勝手に?自分なりの学びを感じられることが理想ですが、とはいえ何かしらの足場かけがなければ出てこないことも多いですし、何でも学べれば良いというわけではなく、基本狙いとしている学び・気づきがあるものです。

制約にとらわれない、参加者の自然発生的な学びを信じながらも、それを最大限引き出せるデザインが求められているんだろうな…難しい。

おまけ

このテーマの文脈とは離れてしまいますが、内田さんがおっしゃっていた「どこの窓から社会を見るか決める」という言葉が個人的にはすごく好きでした。

内田さん自身、言語学を修士課程まで学んでいたそうで、修士でそこまで深く研究することはできないが、これから社会に出た時に、自分がどんな視点から社会を見るかを決めることはできる、という教授の言葉が胸に残っている、というお話でした。

自分の軸が何か?を理解するだけでなく、その軸を活かして社会を見るという感覚がなんだか新鮮な表現でした。

これまでミュージアム型での学びや、キュレーター目線での仕掛けづくりというのはあまり触れたことがなかったので、新たな視点をもらえた気がします。

とはいえ、この世のサービスやクリエイティブはすべて対象者がいるもので、結局は「対象者の視点になる」「対象者の期待をとらえて超える」に帰着するよなとは思いました。

これからミュージアムに行くときは、「誰を対象と意識してこの仕掛けをつくったのかな?」と考えるとますます楽しめそうです。

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