中学校でのお話。3

体育委員にはなるしかなかった。

体育委員が嫌なら学級委員をしてもらうかも,と担任に言われてしまった。

どうせ逃げれない。

じゃあ,流れには逆らうべきではない。


そこからは地獄だった。

体育のたびに先生に叱責されるのではないか,とおびえる恐怖。

体育の授業がある日は,クラスメイトが余計なことをしないか気を張りつづける。

うまくやれなければ,1ヶ月コースだ。

そう言い聞かせて,1年間乗り切った。

気を張り続けていたおかげか,私のクラスは1ヶ月コースを経験せずにすんだ。

うまくやった。そう思っていた。




うまくやりすぎた。

結局3年間,体育委員にされつづけた。


3年間,体育がある日は気を張り続けた。
体育がある日の前日は,毎回変わらない次の授業の準備物を聞きにいくためだけに,先生を探して学校中を走り回った。


1ヶ月コースに参加しないために。

でも,限界があった。

あるとき,クラスメイトと先生の意見が異なることがあった。

私はその2つの意見の真ん中に立って,その意見をすりあわせなければならなかった。

いつもなら先生の意見に合わせてくれるクラスメイトも,そのときは譲ってくれなかった。

じゃあ,先生と相談しよう。

そう思って先生に相談しに行ったら,頭ごなしに叱責された。
私たちの意見なんて,聞いてくれなかった。

先生のなかには,先生の思う「正解」があって,それ以外は「不正解」で。

あまりにも頭ごなしに叱責されて,クラスメイトもびっくりしたのだろう。

相談しようと言い出したのは体育委員だ。
そもそも私たちは先生の意見が正しいと思ってた。
そんなことを言い出した。

責任をなすりつけられた。

この話は他のクラスにも瞬く間に流れ,学年中で大騒動になった。

あまりにも収集がつかなくなり,まずいとおもったのか先生は家に謝りに来た。

でも,それだけだった。

ことの経緯や自分の非を,生徒の前で説明しようとはしなかった。

だから,わたしは学年中ですっかりひんしゅくを買ってしまった。

何も悪くないのに。

理不尽とはこのことか。



次の記事に続きます。

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