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私の嫌いなところ

私は、私が嫌いだった。ドジな性格とのろまなところが私は大嫌いだった。

中学2年生の時、ある友達と電車に乗ってちょっと遠出して映画を見に行った。まだ、中学生で私の住んでいるところは田舎だったのですごくワクワクしていたのを覚えている。

映画を見て、「今日はいい一日だったな」と思いながら、その友達と他愛のない話をして帰路についた。

私達は、3時間に1本程度しか通っていない電車を待っていた。寒い中、他愛もない話をしながら私と彼女は電車を待った。

「あっ、電車来たね。」

私は、彼女に声をかけて、電車に飛び乗った。

しかし、私達が乗ったのは反対方向の電車だったのだ。すぐに気づいて次の駅で降りた。 

あぁ。またやらかしてしまった。大嫌いな自分が出てしまった。そんなことをぐるぐると考えていた。

でも、彼女は

「あはは。なんか、楽しいね!」

と私に言ってきたのだ。

最初は、理解出来なかったけど。彼女の話を聞いて、これも確かに楽しいかもと思えた。

彼女は、私の大嫌いなところを「楽しい思い出」に変えてくれた人だった。私はそんな風に言ってもらったのは初めてだったから、すごく嬉しかったことを覚えている。

彼女はほんとに素敵な人だと思う。



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