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【猫噺#6】白黒猫は生命力が強いと言われるけど本当?

 白黒猫というのは、猫の毛色で分類した呼び名です。血統としては和猫(ミックス=雑種)ですね。
 毛の生え方では、ハチワレやタキシード、さらに前髪パッツン、ハート柄、ネコ柄、困り顔などがいます。
 離島などで暮らす猫は、やがて白黒猫が優勢になってその割合が増えるため、白黒猫は生命力が強い、と言われますが・・・

白黒猫の基本形はハチワレ
 日本ではハチワレと言われる、額から八の字型に模様が割れていく柄は、海外ではマスクキャットと呼ばれていましたが、コロナ過を経て本当にマスクをした猫に取って代わられました。
 
 ハチワレに似た柄では前髪ぱっつん、切りすぎちゃった~の猫もいますね。
 さらにタキシードを着たように、背中から黒柄が降りていく紳士な猫も。

 これらの猫は、背中から墨汁を垂らしたように腹側に黒毛が生え、左右対称です。
 手足の先に白柄が残った、ソックス猫もこの仲間です。

ハチワレ君

個性派の白黒猫
 黒が勝っている猫とは別に、白地に黒模様の猫は性格もいます。
 ハートマークを身体の一部にもつ猫は、縁起モノとして珍重されま。また背中に黒猫の模様が入った、猫の中の猫もいますね。

 困り顔の眉毛猫は、イタズラでもされたのか?と心配になります。心配性のに見えますが、実は陽気だったりします。

 これらの白黒猫の柄は、「スポット」と呼ばれます。

 ハチワレが白猫の背中から墨汁を垂らしたのに対し、スポットは神様が筆に付けた墨汁を飛び散らしたかのような模様を指します。
 模様はさまざまですが、偶然ハートに見えたり、猫のように見えたりするのです。

お尻にハート


猫男爵な猫

 ハチワレもハート猫も、墨汁の例えのように毛色を決める遺伝子の気まぐれによって柄が決定します。
 誤解されやすいのですが、特定の遺伝子を持っていてもそれが発現するかどうかは環境因子や偶然に左右されます。

 毛柄と性格の明確な相関はありません。

 しかし白黒猫は生命力が強く、タフな性格だと言われることがあります。
 隔離された島などで暮らす野良猫は、白黒が優勢になり、頭数に占める割合が増えるからです。
 実際はどうなのでしょう?

白黒猫は生命力が強いの?
 白黒の毛色と、病気への耐性などは認められていません。それでは、なぜ白黒猫は生命力が強い、という印象があるのか。

 毛色は遺伝子によって決まります。
 このとき色の付いた毛が生えるためには、遺伝子がきちんと「働く」必要があります。

 毛色に関する遺伝子をもっていても、なんらかの原因でその遺伝子が働かなければ、毛色は白黒になる可能性が高くなります。

 茶色の砂地が多いので、保護色の茶色猫が生き延びやすい、とか人間が好みの色なので飼ってあげる、などの選択圧がなく、新しい遺伝子の流入がなければ毛色は白黒に収斂しやすいと言えます。

 これを見た人間は、白黒猫の生命力が強いので支配的になった、と誤解したのでしょう。

 かつてハチワレ猫は、鉢すなわち兜が割れることに通じるので縁起が悪いとされましたが、現在は末広がりの八で縁起が良いとされます。
 猫の性格や特徴の解釈には、その時代の勝手な思い込みが反映されることが多いのも事実です。

 いろんな可愛い猫がいるけど、我が家の子が一番。という飼い主さんの思い込みは、間違ってはいませんが。

(次回は【猫噺#7】シャム猫の特徴。白猫が黒猫になった?)
#猫 #猫の毛色 #白黒猫 #毛色と性格

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