【閑話】富士山のふしぎ!?
むかし、富士山の麓にある施設で働いていたことがある。
富士山には、その山体を走る川がない。多孔質の溶岩で被われているため、降った雨は地下に浸透し、濾過されてきれいな湧水となるからだ。
ふもとの湧水が湧き出るところから、川が始まる。
静岡県清水町にある柿田川などは、支流が集まって大きな流れになるのではなく、何もない所(湧水群)からいきなり大きな川になるのだ。
勤めていたところでは、地下から湧水を汲んで処理し、飲み水にしていた。とても美味しい水だった。
当初、勤めていた人たちは、敷地内の寮や社宅に住んでいた。
ふしぎなことに、そこで働いていた人の家庭では、産まれてくる子産まれてくる子が、みな女の子だった。
だれかが、その確率を計算した。具体的な数字は忘れたが、天文学的な率だったと思う。
原因は、飲み水に使っていた湧水ではないか、とも噂された。もちろん、飲み水に使う前には成分分析されていたが、不審な検査値はなかった。
何年かが過ぎ、当時の女の子たちはみな美しく成長した。
さらにふしぎな縁で、その富士姫たちは各々の事情でみな富士の近郊に住まいするようになる。
一説にはご神体である富士が巫女を生み、みずからの周りに集めたのだ、とも・・・
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