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海岸線

颯爽と走る

右には穏やかな海が見え、左には大好きな君がいる。

窓を開けて風を感じながらお気に入りの曲を聴いて。

ここの道が好きになったのも君の
「鎌倉に行きたい。」
という一言からだった。
君は僕と出会う前からそっち方面にはよく行っていたようだし、1人でも行けるはずなのに、何度も僕を誘ってくれた。
そして、僕も虜になってしまった。
何も考えない、この海風が僕自信を包み込んでくれるようなそんな感覚になる。

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海が好きな僕らにはぴったりな場所だ。

海岸沿いを走り続け、左側にあるオープンテラスのカフェへと入る。

メニューをひらく。
君はいつもコーヒー、年下なのに大人のようだ。
僕は決まってオレンジジュース。
もちろん違う時もある。
ジンジャーエールとかね。
海を見ながらゆっくりできる至福の時間。

会話がなくとも僕らはそれが心地よかった。
目の前に広がる海、潮風。
車の音も周りの話し声も聞こえない。
僕達だけの空間。

お会計を済ませて車へと戻る。

バタン。

ツー…。

涙が流れてきた。

忘れたい君のぬくもりをまだ僕は追いかけていたのか。

高いところにあった太陽も少しずつ海の中へと沈んでいく。

元気にしてるのかな。
そんな連絡もできないまま、僕はまた海岸線を走る。


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