「高円寺 本の街商店会」設立計画(案)
2022年ごろより高円寺で書店の開店が相次いでいます。
雑誌『POPEYE』2023年9月号の本の特集号でも、高円寺での書店の開店に関して記事に書かれています。
現在、商店会は狭い地域の区切りで設立されており、コクテイル書房のある高円寺北中通り商栄会は、わずか130メートルの道路に、30店の店があり、これでひとつの商店街として活動しております。
高円寺に遊びに来る人は、例えばこんな風に過ごしたりするのではないでしょうか。南口に点在する古着屋を覗き、喫茶店で休み、高架下のカフェで昼ご飯を食べ、庚申通りの立ち飲みコーナーがある古着屋で呑み、高円寺を満喫して帰る。小さな商店会を目指すのではなく、高円寺丸ごと満喫しているはずです。
高円寺全域で、12の商店会があり、それぞれ別個で情報を発信しているのが現状です。高円寺全体として、ブランディングしたり、情報を発信したり、している商店会は皆無なのです。
昭和の始め、縦の百貨店に対抗し、横(面)の地域で纏まって設立されたのが現在の商店会の原型だと言われています。昭和の時代には、生鮮三品を扱う店を中心に活況を誇っていたましたが、現在では95%の商店会が衰退している、という調査報告があります。
東京都やそこに含まれる行政は他の地方とはくらべものにならない多額の助成金を予算に計上しています。その金額は国が拠出している商店街振興予算とほぼ同額と巨額です。それらの予算は、衰退した商店会を盛り上げようと支出されていますが、効果はどれほどあるのでしょうか。
今までの商店会はそのままあったとしても、新しい商店会の形が求められているのではないでしょうか。高円寺全域を対象にし、ひとつのテーマを掲げ、そこに寄り集まってもらい、ブランディングをする。
私の提案は「高円寺 本の街商店会」という本をテーマにした商店会です。高円寺にある新刊書店、古書店、出版社などが一つにまとまる。紙の本と親和性がある、喫茶店、カフェ、文房具店、なども入ってくれたらうれしいです。ブックマークはブックカバーを置いてある雑貨屋さんなども入って欲しいですね。
今年の6月に「本の長屋」というシェア型書店を開店しました。小さな函に1人の店主がいる、80店の小さな書店が寄り集まっている形の本屋です。
本を売るだけではなく、本に関するイベントや、読書会、店主同士の懇親会、などイベントも多様で、わずか数カ月の運営で、店主同士のコミュニティが出来上がりました。函店主が編集、執筆を行っている月刊誌『長屋通信』も発行されています。
趣味嗜好が同じ本好きが集まることで、風通しのいい関係が早く出来上がったと思っています。
本の長屋が一軒でここまでできたことを、高円寺にある書店同士をつなぐことで、さらに大きなテーマコミュニティが出来上がり、それは強固な地域コミュニティとなっていくと思われます。
ブックツーリズムという書店を中心に回る旅の形は、海外ではメジャーな旅の方のひとつで、今後インバウンドの観光客が新しい魅力をこの商店会に見出し、高円寺や中央線の各駅を回るきっかけになるのではないでしょうか。
杉八小あとにできる図書館や、杉4小あとにできたIMAJICA(科学館)との連携や、近隣の小中学校の図書室とも繋がることで、近隣の小中学生も本の楽しみを伝えるのも、この商店会の取り組みのひとつです。
商店会と公共の施設との共同事業には、杉並区に多数生活している、作家、ライター、編集者、カメラマン、イラストレーター、デザイナーなども興味をひき、活動に協力してくれるのではないでしょうか。
商店会にはお店だけではなく、活動に協力してくれる、本の周辺にいる方や、高円寺や高円寺に縁のある本好きの人も、入会していただけます。
枠組みを広げることで、コミュニティの輪も広がり、活動を知ってもらう機会も多くなると思っています。
高円寺北口広場で野外の本のマルシェなどを行うことで、来街者の印象も、いままでと一変すると思われます。
本を高円寺で広げて、多くの人とつながる、素敵なコミュニティをつくる。これをひとつの目標に活動していきます。これも一人で出来ることではないので、多くのみなさまのお力が必要です。よろしくお願いいたします。