Back to the world_004/渡船
バス停では高校生たちが人の波を作り、まさにごった返してバスに乗り込むところだった。純と佐内はバスには乗らずに脇道へ入った。
「痛っ!」
「やめて!」
リーゼント頭の先輩たちが後方から強引に横入りして行くのが見えた。オラオラと生徒たちの間を乱暴にかき分けて進んで行く、自意識過剰な姿があまりに珍妙に見えたので指差して2人で笑った。
「あのボンタン(太い変形学生ズボン)、常軌を逸してない?」
「いや、袴なんじゃないの?めでたい!ははは」
「リーゼントの先にエビ載っけたら正月ぽいよ