事業再構築補助金について振り返る
最大6,000万円という破格の金額で話題となって、YouTubeなどでも盛り上がっていた事業再構築補助金。
4月30日が第1回目の締め切り日でしたが、僕も1件やってみたので、その感想を書きながらここで振り返りたいと思います。
事業再構築補助金に取り組んだ人と、いや〜ちょっと大変だったよね、と飲み会で盛り上がるような気分で書きたいと思います。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
まぁ、面倒くさかった
身もふたもない話だけれど、一言、感想を言うとしたら、「メンドクサイ」ということ。
面倒な要素はいろいろとあるんだけれど、そもそも、この補助金申請を自力で書ける事業者がどれくらいいるんだろうってことだ。
この補助金に関しては、認定支援機関と一緒になって作ってくださいね、という趣旨になっている。
つまりは、自力じゃ難しいよ、ということと、認定支援機関が認めるようなものであれば、一通りの信頼性の担保は取れるでしょうという国側の思惑があるものと思われる。
それであれば、だ。認定支援機関が作りやすいようなセキュリティーの設計にしてくれればいいのに、と切に思う。
何が一番面倒なのかというと、こちらが好き勝手にログインして申請画面から書き進めることが難しい設計になっていること。
セキュリティーがかかっていて、デバイスが変わったり、ログイン時間が少し空いたりすると、スマホ認証が必要な仕組みになっている。
基本、申請者が自分で申請をする、という趣旨は理解するとしても、認定支援機関との共同作業なのであれば、認定支援機関側も使いやすいセキュリティー設計にしていただけると助かるのに、と思うのです。
特に、締め切り日だった今日4月30日は、アクセスが集中し、サーバーがダウン。
やっとログインできたと思っても、スマホ認証が必要で、申請者と連絡を取っているうちにタイムアウト。
再び試そうにも、サーバーダウンでログインすら難しい、、、。
このイライラ、おそらく、多くの人が今日、味わったことだろうと思います。
朝、30分くらいでちゃちゃっと申請をするつもりが、午前中いっぱいかけても終わらず、結局いまだに申請をしていません。
サーバーダウンの影響で5月7日に期限が伸びたので、繋がりやすいときにゆっくりとやることにしました。
入力は終えてるから、ポチッと押して、出すだけなんだけどね。
ミラサポPlusが、まぁ、メンドクサイ
何が一番面倒だったかと言われると、このミラサポPlues。
もう、愚痴しか書いてないけど、要ります? このサイト。
ローカルベンチマークを添付することが要件になっているんだけれど、別サイトである、ミラサポPlusというサイトで登録設定をして、財務状況を3期分手入力するというもの。
ローカルベンチマークなら、手前の会計ソフトで、黙ってても出てくるのに、それをわざわざ外部サイトで手入力をする煩わしさ。
そもそも、最初の登録がややこしい。
gBizIDでのログインの仕方がわからなくて、2日くらい時間が空いて、電話で問い合わせても、30分以上かけてもつながらないし。
しょうがないから、試しに、俺自身の個人名で暫定gBizIDの登録をしてから、ミラサポplusに入ってみて、初めて何が間違っていたのかに気が付いたという始末。
財務情報も個人事業主は入力が難しい。
全部手入力で、計算がかからないっていうのも、なんだかなぁって思うし、財務諸表の読み方を知らない事業者が、これを正しく入力できるとは到底思えない。
結局、間違っている原因を探して直すのに半日かかっちゃったし。
しかも、チャート図などのグラフを添付するんじゃなくて、財務情報を入力した画面をPDFにして添付するって、意味なくない?
趣旨がまったくわからない。
15枚の白紙に何を埋めるか
一番最初の壁は、15枚の添付を求める事業計画書に何を記載するかで、これは多くの支援者を悩ませたんだと思います。
様式自由という自由さがまたメンドクサイところ。
要綱を読むと、何を求められているかはわかる。
要は、きちんと自社の状況と外部環境を分析(いわゆるSWOT分析)して、それを基に市場と競合と自社の状況を分析(3C分析)して成功要因(KSF)を示してから、事業再構築のプランの必要性と、具体的なプラン、今後の取り組みや課題や計画をまとめろ、というもの。
最初は、事業者に質問して、事業者の言葉で埋めて行っていたんだけれど、やっぱ、無理、ってなるよね。
今回は、もともと補助金とは関係なく、5か年の事業計画を毎年作っていた先で、それなりに分析もできていて、事業者との打ち合わせも毎月やってて、バンクミーティングもして各金融機関から事業計画の承認を受けているような先だったんだけれど、それでも、結構めんどくさかった。
書式がないので、小規模事業者持続化補助金で使ったひな形をパクりながら、まずは、書かなければいけないことを箇条書きで埋めていった。
会社の売上分析や、顧客分析等で使えるデータは取られている状況だったし、グラフ化も常にされているので、内部状況を説明する資料には困らなかったけれど、画像として切り出したり、張り付けたりといった工作が手間だった。この作業だって、パソコンそれなりにできないと無理でしょ。
資料集めで、いろいろと写真を送ってもらったり、外部環境は、使えそうな統計データがないか検索して探してみたり。
たまたまやろうとしていることに関する統計データを見つけたので、きれいにまとまったけれど、見つからないと大変だよね。
いや、分析してから補助事業を考えて、応募してこい、という流れは理解はできるんだけどね。
大抵は、やること決まった後で、これ書き始めるでしょ。
きちんと分析できてない段階で、スタートしちゃってて、どうやって辻褄合わせるか、みたいなところの方が大半なんじゃないかと思う。
それでも、まぁ、確かにやりながら、やっぱりこの事業で大丈夫そうだとか、こういうデータもあるんだねとか、いろいろな気づきにはなったけれど、これを事業者といちいち細かく共有していたら、時間がいくらあっても足りない。
15枚にきれいに収めるのも結構苦労したけれど、うまくきれいに15枚ジャストに収まった。
結構、見栄えよく、様々な写真やグラフやデータを基に、うまく話を展開できた気はするんだけれどね。
基本、周りもそういう誰かの支援を受けながら出してきてるから、そことの競い合いになるわけでね。
結局は、誰かを唸らせる計画書というのは、計画書にどう描くかではなくて、何の事業をするかで決まっちゃう。
その事業は、確かにすごいよね、っていうのがタイトルだけである程度見える程の斬新さがあれば、それにはどうやったって勝てない。
今回は、新分野展開として、金額的には小規模なチャレンジなのだけれど、この事業者さんにとっては、大きなチャレンジだ。
やる事業自体には、そんなに目新しさはない。
けれど、この事業者さんの立場と状況を考えれば、これが最も無難な合理的なプランだろうとは思うんだけどね、どう受け取られるかね。
補助金を取るための事業であればやらない方がいい、って言っている人のYouTubeを見たけれど、確かに、そうだと思う。
うちの場合は、この補助金があろうがなかろうが、どっちみちやることになっていたのでね。
数値計画も、もともとあったし。
後は、補助金の要綱にあてはめて、作ればいいだけだったんだけれど、それでも大変でした。
補助金申請でYouTube動画上げてる人たちは、結構、複数件の申請をしたのかな。
個人的には、補助金申請とかは、決まりが細かくて大嫌い。
自由に伸び伸びと好き勝手に事業計画を立てて、事業者を支援するのは大好きなんだけど、はめ込まれるのが嫌い。
なので、補助金申請をたくさんやっている人はすげーな、と思います。
どんなにスキルを磨いて効率化しても、1件1件、頭を使うからね。
俺は1件でお腹いっぱいです。
というわけで、事業再構築補助金に取り組まれた皆さん、どうもお疲れさまでした。
(いや、まだ出してないんだけれどね)。
これから取り組まれる人は、どうぞ頑張ってください。
でも、この補助金、本当に困っている事業者さんを助けるために使われるのかな、とも思ったりします。
うがった見方をすれば、お金のあるところが、飲食店等の不動産を買い漁っていくことだってできちゃうでしょ。
6,000万という金額の規模や、スイミー戦略のように複数事業者がまとまって大きなことをすることを可能にするなど、いろいろなことを考えると、裏で、こういうお金を使いながら、資源を買い抑えていくようなことになってるんじゃないかとも危惧するんです。
今、世の中で起きている、本当のことは、何なんでしょうね。
こういうことを書くと、また、頭のおかしい人と思われちゃいますが、起きていることや、報道や、制度や、お金の流れや、もう、何もかもが、違和感だらけなのです。
だめだ、やめとこう。書くのであれば、有料にして、ほとんど誰も見てない状況で書かないと、たぶんダメなんだろうね。世の風潮的に。
まぁ、何が言いたいかというと、健全に税金を払って、健全に税金をもらいましょうということです。
何事も、やりすぎはダメですね。
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