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電話越し

突然送られてきたメール「退職のお知らせ」。

縦割り文化がない弊社なので厳密には違うが、
私にとって上司のようなNさんからだった。

社会人1年目の私。
何もわからずIT業界に飛び込んだはいいものの、
なかなかうまくいかず、東京でもがいていた。

ある朝のことだった。
急に「アウトプット」の練習が始まった。
練習相手になってくれたNさんとは、
最近のニュースの話、休日の過ごし方、
社内プロジェクトの進捗確認、仕事のコツ、
とにかく何でも話した。

いつの間にか、そんなアウトプットは
「練習」から「日課」に変わっていき
自分自身も変化していくのが分かった。

Nさんは東京時代の自分を救ってくれた方でもある。

名古屋に転勤してからは、
会話することもなくなってしまったが、
そんな中で送られてきたメールの宛先は
東京社員のメーリングリストと僕のアドレスだった。

すぐさま本社に電話を掛けた。
「がんばれ、それだけ」
電話越しの声には
この上ない嬉しさがあった。
「ありがとうございました」と伝えた。
僕の声は震えていた。

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