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喋れなくなったひよぽんと

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ひよぽんが退院してきてからの気持ちを書いています
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2022年7月の記事一覧

辛いのは自分だけじゃない

少し離れた職場の同僚が、顔を出してくれました 私とひよぽんのことを心配してです 「思ってることを吐き出すだけでも」って言ってくれたけど あんまりその話は出来なくて 要するに「愚痴るだけでも楽になるよね」なんだと思うけど 愚痴じゃないんだ、私の気持ちは とにかくずっとひよぽんに申し訳ないの ひよぽんの思うように伝わらなくて それってひよぽんが悪いんじゃないのよ ちゃんとコミュニケーション取れないこっちが悪いと思ってるの 出来なくて申し訳ないと思ってるの 翌日、その同僚のお

思い出 は、余計なもの

言葉を話せなくなったひよぽんは、話を聞き取るのも苦手です デイケアに通っているのですが、 そこであんまりお茶とかが出ないようで しかもひよぽんには「すみませーん」っておかわりを頼むことも出来ません 水分少なくて、便秘が酷くなっちゃう まだ、一緒になる前、 ひよぽんはめちゃくちゃでっかい水筒に 氷水入れて持ち歩いてたよね って、 「いっぱいお水飲む方だもんね、判るよ」のつもりでいったら、「なに?」って言われた そんなに一生懸命伝える話じゃないけど、 水筒の絵を書いたり

たまには自分ファースト

ひよぽんが何か言おうとしてた だからこっちも必死で読み取ろうとしました 「3ヶ月間休職してほしい」 ひよぽんの言いたかったこと、でも 「それは出来ない」 「その選択肢はない」 そう言うとひよぽんは明らかに失望してた 言いたいことがなかなか伝わらないだけでも失望するのに やっと伝わったらその返事でまた失望 でも、働くのを辞めるわけにはいかない いかないし、そもそも私は働きたい ひよぽんの気持ちも判るよ たった40分のリハビリのためにデイケアに行って 大半の時間をぼーっと過

おしゃれとモチベーション

ひよぽんがヘアカットとカラーをして貰いました 退院してからずっと髪を引っ張っては「カッコよくしたい」と主張してきたひよぽん 今日やっと念願叶いました だから今日はご機嫌 1週間前に注文したメガネも貰ってきたので、昨日とはまるで別人のよう 心なしか気持ちも穏やかになったような ひよぽんは熱っぽく語ります 通っているデイケア施設を利用している人はみんなほぼ白髪 そしてほとんど、髪なんて構わない姿でリハビリしてる これだけ整えて行ったらきっと「いいね」って言ってもらえる みんな

大声で言っても伝わらない、でも

ひよぽんの言うことが全く判らないことがあります よくあります そんなときひよぽんは大声を出します 伝わらないから必死で伝えようとして 気持ちは判る でも大声出しても伝わらない そして、大声に私は怯える 怖い、そんな大きな声出されると 怖くて涙が出る どうしてひよぽんから言葉を奪ったの どうしてひよぽんは喋れないの そんな、考えても仕方のないことをつい考えて 余計泣いてしまう 介護にかかる費用が、医療より膨大だと判りました 生活も不安 ひよぽんは 喋れないなら死ん

文章が理解できないのって、英語が難しい感じと同じ?

ひよぽんは、脳梗塞の後遺症で、長い文章が理解できません ちょっと長くなると 「それってOK?だめ?なに?」 と結論を聞いて来ます ちゃんと理解してほしいと思って説明したら判らなくなる 完全な逆効果 でもそれって、私なんかが英語読んでるのと同じじゃない? 「ペン持ってる?」って聞いて 「赤いペンあるよ」 くらいは、多分英語でも判る でも、 「ペンは持ってるけどそれって古くて、かすれてるしペン先潰れてるし使えるかどうかわかんない、3年位触ってないし」 って英語で言われたら「ん

雨降らせて地固める

私は仕事をしています 小さい単位だけど一応管理者 職場の機械がぶっ壊れて修理することになったけど ひよぽんを一人にできないから他の人に頼んで帰ってきました 私はそれが申し訳なくて申し訳なくて申し訳なかったから その話をひよぽんについ、してしまって ひよぽんさえいなければちゃんと最後まで仕事出来た、って受け取られてしまいました ああ、ごめん そういうつもりじゃなかった でもひよぽん傷付けてしまった そこまではいいのです 詰られるのも仕方ない でも、謝ってもう言わないと言っ

退院から1週間経って

毎日話が噛み合わず口論し消耗しています 歩けるし、歩くから、車椅子は要らないと言っていたのに 数歩歩くのがやっとになり用意した車椅子 狭い家で、車椅子ではトイレに行けないのです たちまち今度は、尿器が必要になりました 入院中に用意した装具と靴 「迷ったんですけどやっぱりあった方がいいと思います」と理学療法士さんが言って 車椅子に乗ったら、歩かないのに装具も靴も面倒なようで 部屋の隅に現在は置き去り ひよぽん、ほぼベッドの上です 食事もそこでしたがる 夕食の時に車椅子に

言葉によるコミュニケーションが一番大事なのに

ひよぽんが脳梗塞になりました かなり広範囲の脳梗塞で、身体半分の自由と言葉を失いました 2021年12月のことです それまで私たちは会話を楽しんでいました ちょっと難しい話も、図示したりせず全部口で喋って理解できる間柄 私の話が通じなくなって ひよぽんも何を言っているのか判らなくなって 懸命なリハビリによって 少し喋ることが出来るようになりました だけどまだちょっと間違ってる コーヒーとコーラを混同したり 伝えたいと思ったらより喋れなかったり コロナ禍ということで 入