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これはCobalt Leather Works を立ち上げる前のお話。

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僕は青色が好きだった。
過去形なのは、その気持ちを忘れてしまっていたから。

僕は、美大卒の両親の元に生まれたものの、
特段その才能を受け継ぐことなく、普通の高校に進学し、そこそこの大学に合格して、世間一般では『優良』とされる企業に就職した。

職場は主に小売だが
他にも様々な職種があり、バイヤー業から管理業務までを経験することになる。

カバンや財布を販売することになるのだが、その流れでファッションだったり、カラーコーディネーターの資格なんかも勉強しているうちに、徐々に思い出す色彩の感覚。

(受験勉強をする前は絵が好きだったなぁ)
なんて、考えながら仕事の合間には色鉛筆でスケッチブックをいたずらに塗りつくした。

絵は、見るのも描くのも好きだが、勉強は特にすることはなく
美大卒の両親や、その才を濃く継いだ兄には到底追いつけまいと自ら勝手に諦めていた。

少しでもしがみついて、頑張っていたらどうだったろうかと、
ふとした拍子に頭をよぎっては「明日も仕事だ」と言い聞かせて蓋をする。

別に今の生活が嫌いなわけではない。守るべき生活もある。
それでも日々の生活は、霞のような不透明さが漂よう日々が続いた。

「あ、僕の好きな色だ」
と思い出したのは10年くらい前、仕事上がりの午前5時。

夜明け前の、静かな時間。
太陽が昇る前、空は暗闇から少しずつ青を取り戻していく。

群青(コバルトブルー)

朝とも、夜とも思えないその空は
逢魔時の黄昏ともまた違う
確かな異空間をそこに作り出していた。

吐息の白さ、揺れる草木、静寂が耳鳴りとなって聴こえる。
都会の喧騒が、一瞬全てを忘れて、ただそこに在る群青に吸い込まれていく。

世界の始まりのようなその色は
地平の彼方から、やがて空一面を覆いつくし
一筋の光と共に儚く失われていった。

それは、とくべつな時間の、とくべつな色。

振り返ってみると、モノづくりへの再挑戦はそれから始まったのだと思う。

それからは、
小売業を経験したからこそ磨かれた、独特のセンスと企画力を武器として、
作り手ではなく、販売員の目線からプロダクトを分解し、
独自の解釈を加えたモノづくりをモットーに
ひたすら考え、必死に手を動かした。

オーナーに寄り添い、共に生きるその瞬間、その全てが「とくべつな時間」に
上質な素材により、計算された経年変化は「とくべつな色」に
その二つが混じり合わさる時、「とくべつな世界」として、そこに広がる。

まるであの、夜明け前の群青のように。

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Cobalt Leather Works は「とくべつな世界」を全てのお客さまに届けたいと考えています。

僕は、共に過ごし、経年することで生まれる「とくべつな世界」は
あのコバルトブルーが、僕を導いてくれたように、
誰かの日常を彩り、感情を揺さぶり、心に潤いを与えることを使命としています。

そのためなら僕はなんだってやれるし、何度でも立ち上がれる。

少し暑苦しくなりましたが、Cobalt Leather Works はそんなブランドです。

こんな僕を、少しでも応援してくれるととても嬉しく思います。

今後とも、Cobalt Leather Worksをよろしくお願いいたします。

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