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欠勤と関心領域

欠勤

今の職場になって3ヶ月目。
最近ミスを連発して、その度に謝罪と注意されて…その度に「人間向いてねえ…」とか思うことを繰り返していたら、本日しれっと仕事を休みました。

思い返せば、前職も異動してから休まずに働けたのが一ヶ月もなかったような気がする。
前職は休みの電話を入れたらそのあとは家にいるなり出かけるなり自分の自由にできたけど、流石に実家暮らしでそこまで自由にする度胸もお金もなく、今のところは月一でこっそり休みの電話を入れては漫喫で時間を潰すというルーティンが出来ています。

欠勤した次の日は出勤して仕事ができているのでそこは別ものと考えるとして、果たしてこの仕事が派遣の契約満了まで続くのだろうでしょうか…そもそも実家暮らしがしんどい時があるので一人暮らしに戻りたいけど何を隠そう金がない。

快活クラブのパソコンにあった「即日入寮、しかもタダ!」という文字に心動かされたことは素直に認めます。

というか、みんなの注目が集まるとこで怒られたり怒鳴られたりしてないのに仕事でミス注意されて凹む己の精神の脆さがわからん。
「優しい世界」って、案外個人には優しくないんだよな。

関心領域 THE ZONE OF INTEREST

先日「関心領域」という映画を見ました。
アウシュビッツ強制収容所の真横に家を構えていた男とその家族の物語であり、第96回アカデミー賞®国際長編映画賞・音響賞受賞を獲得したという作品。
ちなみに製作はA24。

実はもう二回見てます。
映画の上映表を見て即チケットを買ってみましたが、初回は途中で寝てしまい…途中までの映画の記憶がなかなか奇抜だったので先日リベンジという名目で二回目を見ました。
そしたら特典でポストカードもらいました。嬉しかったです。

その状態で映画を見た上で、映画の演出の奇抜さと世界観の異常性に言葉を失った作品となりました。
他人の生活を見ているはずなのに、全編を通して人の営みを見ていないような感覚に陥りました。
特に音と合わせ方が秀逸で、見てて「え、それってアリかよ…」と思う場面が何度もあって度肝を抜かれました。
映像を撮ったのがジャミクロワイの「Virtual Insanity」のMVを撮った人らしく、後日MVを見たら関心領域で見た撮り手の特徴がありました。
映画撮影の本来持つ「客観性」を地で行く感じが好きです。

ちなみに言うと、私は歴史的知識がみじんこです。
アウシュビッツ収容所、およびホロコーストに対して高校までの歴史の授業の記憶と昔読んだ「アンネの日記」やチャップリンの「独裁者」、ゴダールの「イメージの本」などいくつか作品に触れたことがあるくらいで、過去に世界でそういうことがあったという認識程度です。

もともと「独裁者」を見た時にその迫力に感銘を受けたせいか、ユダヤ人迫害に対して非人道的だという思考ばかりが貼り付いていましたが、それらが一気に剥がされたような感覚になりました。

壁を一つ隔てた先で平然と人が支配され、死んでいく。
それを分かった上で、なおかつそれを良しとして平和に暮らしている。
現代人の思考ではどうかしていると思うことでも、それが当時は当たり前とされていた。
現代なら「その思考は間違っている」と気づいたり他人から指摘されることが普通だけど、当時は間違っていることに気づいても権力によって捻り潰されたり、そもそも気がつかないまま日々を過ごすのが「あたりまえ」とされていた。

権力に支配されて苦しめられることも、権力に洗脳されることに気がつかないことも、どちらも哀れなことだと知識の薄い人間でもわかりました。

あと個人的には大きな出来事がない淡々としたストーリーが好みでした。

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