いい嫉妬と、悪い嫉妬
「嫉妬」という感情がある。それは僕らの中に根付くドロドロとしたもので、目には見えず、大抵の場合、人を醜くさせる。
嫉妬を抱く対象は、人それぞれだと思う。
好きな人の恋人に対してであったり、出世していく仕事の同期に対してだったり、あるいは、テレビ画面に映る有名人に対してであったり。
でも、そんな嫉妬の中には、「悪い嫉妬」だけでなく、「いい嫉妬」もあるのではないか、と僕は考えている。
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人を傷つけるタイプのものや、自分自身を傷つけてしまうのは「悪い嫉妬」である。
他者の悪口・陰口を言ってしまったり、必要以上に落ち込んでしまったり、そういう結果をもたらす感情だ。
そういったものは「負の感情」であるため、人に対してマイナスに作用し、結果として自分自身をも貶めてしまう。いいことが何もない。
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それに対して「いい嫉妬」というのは、自分にとってプラスのエネルギーをもたらす。
「ちくしょう負けねぇぞ!」という反骨精神が、自分を奮い立たせ、自分という人間をより高みへと連れていってくれる。
それはあるいは、「妬み」というよりも、「憧れ」に近い感情だ。
もしかしたら、好きな人は自分には振り向いてくれないかもしれない。自分は、雑誌に表紙を飾る大スターにはなれないかもしれない。
それでも、「嫉妬」という感情を上手に扱うことで、自分という人間を成長させることは可能だ。
いや、可能という言葉では足りない。「嫉妬」はいわば、自分を成長させる、強力な手法だ。
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嫉妬している、というのは、言い換えれば、夢があるということだ。
あなたには実現したい未来があって、それを実現している人に対して、羨ましいと思ってしまう。ついつい、僻んでしまう。
でも、そういう「実現したい未来」がある時点で、あなたはすでに、他人よりも一歩進んだ場所にいる。ビジョンを持てる人間は、レアなのだ。
あなたは、その熱くなった感情を冷静に分析し、自分のエネルギーに転換していくべきなのだ。
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「嫉妬」は、強い感情であることが多い。強い感情というのは、「絶対値が大きい」感情のことである。
「絶対値が大きい感情」は、持ちたくても普通に持てるものではない。それは自発的に起こすのが難しく、外部的な要因が必要であることが多い。
嫉妬のような「絶対値が大きい」感情を、自分にとってプラスのエネルギーに変えていければ、人生は好転していく。
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「悪い嫉妬」は人をダメにするけれど、「いい嫉妬」は、人を強くさせる。
相手を妬むくらいなら、「いい嫉妬」に変換した方がずっと良い。
嫉妬は、美しい嵐のようなものだ。その存在を嘆くのではなく、風力発電しながら上手に活用していきたい。
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