驚愕!!韓国の不動産事情
”住まい探しマイスター”渕ノ上です。
先日、韓国MBCテレビより取材を受けました。「MBCスペシャル」という年始に放映されたドキュメント番組です。日本と韓国の不動産事情を比較し、現状を伝えるものです。
私は、日本の不動産についてお話させていただきましたが、取材の合間にコーディネーターのヤンさんにいろいろ教えていただいたので、韓国の不動産価格高騰の背景や日本では成し得ない億ションに住む方法をみなさんにもお伝えできればと思います。
韓国はここ10年、不動産価格が上昇し続けていると同時に3~4億円のマンションを購入する世帯が急増しているとのことで、日本はどうなの?という切り口でした。日本においては、1億円を超える物件は数的に少ないですし、購入されるのも極わずかな方に限られます。
江南(カンナム) = 優秀な学校
韓国ではどのような方が購入されているかと言うと、子育て世代とのことでした。ソウルの中心部にあたる、江南(カンナム)エリアは3~5億円のタワーマンションが乱立しており、駅近や漢江(ハンガン)を望めるところは特に価格が高騰しているそうです。
そして、なぜこの江南(カンナム)が人気かというと、優秀な学校が多くあるため、学歴社会が色濃い韓国では、その学校に通わせるべく、引っ越してくるのです。
江南(カンナム)は、もともと田んぼが広がっているようなエリアでした。そこで、サムスンなど大企業が買い取り再開発をしたのです。人気エリアにするためには優秀な学校を誘致することが重要と考え、各地から寄せ集めたのです。そして、20~30階建て、50階建てといった高級タワーマンションを次々と建設し、今のような教育熱心な高所得世帯が熱視線を送るエリアに生まれ変わらせました。
それにしても、なぜそんなに億ションに住める人がいるの?と言う疑問がわきませんか?
実質0円で高級タワマンに住める!?
非常に興味深かったのは伝貰(チョンセ)という制度です。Wikipediaから引用すると、「韓国独特の住宅賃貸制度である。借り手は、家賃を払う代わりに、契約時に住宅価格の5~8割程度の伝貰金を貸し手に払う。伝貰金は、契約終了時に借り手に全額返還される。貸し手は、受け取った伝貰金を資金運用して、利子等の収入を得る仕組みになっている」。
つまり、3億円で購入したマンションを約2億円で賃貸に出されたとします。借主は約2億円を一括で家主に支払うことで、契約期間(たいてい2年間)は別途家賃を支払うことなく住むことができます。契約終了時には、その2億円が戻ってくるので、実質0円で住むことができるということです。
家主はその2億円を資金に投資などの運用ができるので、家賃収入がなくても、利益を生み出せるのです。
また、2年で2億円で賃貸に出すということは、2回(2年×2回=4年)契約することができれば、3億円の元がとれるということになります。
まとめて支払えるお金があることが大前提ですが、おもしろい制度ですよね。
購入したマンションの出口戦略
日本においては、まだ永住するつもりでマンションを購入される方が多いですが、私のお客様は「資産価値」を見極めて、将来的な資産となる物件を選ばれています。そうすると、賃貸に出したり、売却したりと選択肢が増えますよね。
韓国でもそういった出口戦略は描いている方が多いそうです。しかし、考えているのは「高値売却」のみとのことでした。売却してキャピタルゲインを得るのです。
また、韓国の方々は住まいのメンテナンスを煩わしく思うことから、戸建てよりもマンションを好まれます。マンションですと、管理組合が適宜メンテナンスをしてくれるので、日本において考えてみても納得ですね。
まだまだお伝えしたいことがたくさんありますが、長くなりそうなので、今回はこの辺で終わりにしましょう。今回は取材を受ける身でしたが、得るものが多い貴重な機会でした。
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プロフィール
”住まい探しマイスター”渕ノ上
コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社
代表取締役 渕ノ上弘和(ふちのうえ ひろかず)
国内大手の管理会社2社にて、一貫してマンションの資産価値向上に向けた業務に従事。個人でも2物件の管理組合副理事長を務め、自身の培ったノウハウを実践しマンションの資産価値管理に臨む。
保有資格:不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、マンション管理士、AFPなど8種類以上
取材履歴:NHK「おはよう日本」、日本経済新聞、日経ヴェリタス、LIMO、GetNavi web 他
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