父のこれからの生きがい
お正月ぶりに父と会った。
昨日出したひな人形を見に家へ来た。
新年が開けてからこの1ヶ月あまり
自分の身にいろいろなことが訪れた。
まずわが家は初めて一家全員コロナに感染した。
その間、実家の愛犬が亡くなった。
半年前手術をしてからは元気に回復していたのに
急に体調が悪くなってその日に息を引き取った。
明日で亡くなって1ヶ月が経つ。
私はその日コロナ療養中で実家に帰ることができず、もどかしかった。
父はいつも人間の私たちよりもはるかに優しい口調で話しかけていたし、大変愛犬をかわいがっていた。
お葬式の時は母が泣くタイミングがないくらい
父はわんわん泣いていたと聞いた。
そんな父と久しぶりの再会。
父は5年前に胃がんの手術をしている。
入院しているその間も愛犬に会いたい一心でがんばっていたし、退院してから再会してほんとうに嬉しそうだったし、愛犬のお世話をすることが父の生きがいでもあった。
誰よりも濃い時間を過ごしてきた父にとって喪失感は計り知れない。
今日も愛犬が居たからここまで生きてこれた。
と、しみじみ言っていた。
愛犬は生後8ヶ月の時に事故で、足が不自由になってしまい、それからは手だけで身体を動かしていた。
トイレも自分でできなくて、毎日両親は懸命にお世話をしていた。
亡くなる13歳まで不自由なことがあっても、一生懸命に生きる姿を私たちに見せてくれていたから、父もいつも励まされていたみたいだ。
人間だったら泣きごとや弱音を言いたくなるような状況なのに、生きることを放棄せず、ひたすらに健気に生きている姿を見て感じることがたくさんあったんだろうな。
自分を投影してしまう気持ち。
がんの再発する可能性があるといわれている5年間、父は言葉にはしなかったけど、いつまで生きれるのか心配だったし不安だったと思う。
近くに頑張っている愛犬がいたから励まされ、生かしてもらっていたんだよね。
生きがいをなくしてしまった今。
娘として話を聞いてあげたり、寄り添うことしかできないけれど、父には少しずつ乗り越えてもらってまだまだ人生を歩んでいってもらいたい。
幸いにも父には趣味がたくさんある。
大好きな山登りや旅行。レコード鑑賞など。
好きなこと続けてまた活力を見出してほしいなあ。
あと孫の成長も楽しみにしていてもらいたい。
と、私は思っていたので伝えておいた。
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