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発見。大それた目標(ゴール)の方が達成しやすい理由。

こんにちは、シンジョウ(中野 新常)です。

その他、「やりたいことをして生きていく」のが当たり前の世界を作るため活動中

「現実的な目標(ゴール)より大それたゴールの方が達成しやすい」
「現状の外のゴールを目指すべき」

実は、認知科学的に見るとそう言える。

認知科学
心が複雑であることから、人の心の内面は科学の対象にはされてこなかったが、AIなどの研究のために人の脳や心(マインド)の中身に注目されたことによって生じた科学分野。心理学、人工知能、言語学、人類学、神経科学、哲学などの学問領域を研究している。外部に現れる我々の行動からではなく、内部的な認知のメカニズムを直接仮定しながらその妥当性を探っていくところに特徴がある。

そう言われて、「そうなんだ!」ってすぐ納得できる人は少ないのではないでしょうか。

どう考えたって、現実的なゴールの方が大それたゴールよりも達成しやすいように思えます。

だって、現実的なゴールの方がどうやれば良いのか方法も分かりますし、そこへ辿り着くのも容易なはずです。

一方で、大それたゴールだとそうはいきません。そもそも、そこへ辿り着くための方法も分からないですし、仮に分かったとしてもそこまでの道のりは大変そうです。

私自身が、この「現実的な目標(ゴール)より現状の外のゴールの方が達成しやすい」という言葉に出会った時は、上場会社で人事部門も統括している責任者をやっていた時。
会社などで行われている目標管理(目標を設定してそれを達成するマネジメントの仕組み)においては、目標は、実力よりも少し上くらいを設定するのがちょうどいいというのが常識でした。

でも、自分は、「現実的な目標(ゴール)より現状の外のゴールの方が達成しやすい」ということを、「それは確かにそうかもな・・・」

そう思って、素直に受け入れられたのです。

その時、自分は売上高400億円・従業員数400人を超える東証1部上場会社(いずれも当時)で、業務執行の責任者である執行役員をしていました。人事・総務・法務・コンプライアンス・財務経理などの会社の根幹にあたる部門の最高責任者をやっていました。

周囲からは、「ずっと出世街道を歩いてきた」そんな風に思われてきました。

でも、実際はそうではありません。

ほんの数年前は、正社員経験が一度もないフリーターでした。しかも、極貧。住んでたアパートは外壁が崩れてて外気と室内の温度があまり変わらないところ。ひどい時には、生活費のために風邪をこじらせても病院にいけない。楽しみは週に一度のラーメン。そんな生活をしていました。

それが、ほんの数年で上場企業の役員。

きっかけは、正社員として就職して「めちゃくちゃ出世してやる」って決意したこと。周囲から、今の生活から見て現実的な就職をした方が良いって言われても、それをスルーして、当時からすれば大それた目標を目指すことを決意したからでした。

そんな自分の経験があったので、「現実的な目標(ゴール)より現状の外のゴールの方が達成しやすい」という言葉は、思いのほか素直に受け入れることができたのでした。

多くの人が、ゴールが達成できないと悩んでいるのではないでしょうか。
もしかしたら、もうすでにゴールが達成できないと諦めて、そもそもゴールの設定すらしていない人もいるかもしれません。

それでは、認知科学が発見した、「現実的な目標(ゴール)より現状の外のゴールの方が達成しやすい」という理由についてお話ししていきます。

実は、うまくいかなかった理由の多くが「現実的なゴールを設定していたから」だったりする。

その理由を詳しく説明していきます。

  • 今に満足せず挑戦するのが大事。

  • 人は成長していかないとどんどん衰退していく。

  • 現状維持は退化と一緒だ。

現状維持はしないでどんどんと変化していった方が良いという考えは、もはや、使い古されてしまってまるで空気のような存在になっているのではないでしょうか。

そんな当たり前になっているような、変化を推奨するような言葉があるのにも関わらず、なかなか変化していけない自分がいたりします。
また、組織などを改革しようとしても、なかなか変化を受け入れてくれない人もいたりします。

それは、なぜか。
それは、我々は本能的に現状を維持することを第一に考えているからです。

我々は、本能的に現状維持をするから目標が達成できない。

これは、生物には、何か変化が起こった時に元に戻そうとする力が働くからで、この機能のことを、恒常性維持機能(ホメオスタシス)と言います。

例えば、傷が出来たら治そうとしたり、体温が上がれば平熱に戻そうとしたりすることが挙げられます。

生物が生き延びていくためには、発生した変化を元に戻すのが良いために本能的にこのように働くのです。

また、我々は、脳や心(これをマインドと言います)が他の動物と比べて大いに発達していきた生き物です。

そのため、物理的空間だけではなく、マインドの中の世界(これを情報空間と言います)についても、このホメオスタシスが機能するようになっています。

そのため、自分の内面に変化が起こった時にもホメオスタシスが働くことによって、元に戻そうとするのです。
それが良い変化であったとしても、マインドには関係ありません。
変化があったならとりあえず元に戻そうとするのです。

そのため、仮に目標を設定してそれに向かおうと思っても、変化を感じたなら元に戻そうとする機能が働いてしまうのです。

なので、通常であれば、変化を感じるレベルの目標は達成しにくいのです。

そうならば、「やっぱり、変化が発生するような大きな目標って達成しにくいんじゃないか。」
そこで、これを達成しやすいようにするために、仮に、あまり変化のないような目標にしてみるとしましょう。

実は、これもこれで達成しにくいのです。

変化の少ない現実的なゴールもこれはこれで達成しにくい。

こんなことがありました。

上場会社で役員をやっていた頃、スタッフに6か月間の目標を考えてもらおうと思ってた時のことです。
ちょっとでも作業効率を上げることをやってほしいと考え、「この作業、今のかかっている時間より1営業日だけ短くすること検討してみて?」と聞いてみたのです。

すると、そのスタッフから、こんな返事が。
「1営業日も短くすることは難しいです」

そこで、「じゃ、0.5営業日くらい短くすることできる?」と聞きました。

そうすると、こんな返事がありました。
「頑張れば、ぎりぎり0.25営業日くらいの短縮はできると思います。ただ、それが何かのプラスになるんですか?」

もう分かりましたよね。
達成しやすいように目標を下げてみる。
それは確かに客観的にみたら達成に繋がりやすそうに感じます。
でも、あまりに下げてしまうと、それを達成したところで何のプラスにもならなかったりするのです。

でも、それを積み上げていったらその人のスキルアップに繋がるんじゃ、という考えもあると思います。
ただ、こういったほんのちょっとの変化の目指す場合の多くは、スキルアップというよりは力技で解決しようとします。今の方法の延長で、無理やりどうにかしようとしてしまうんです。

そうなると、無理が出てミスが多くなったり、残業時間が増えたり、そんな結果になってしまうのです。

そうすると、そんな無理するくらいだったら、そんな変化は不要だって思うわけです。だって、達成したところでほとんどプラスは無いわけですから。

このケースの場合は、こんなことが言えたら良かった訳です。

「この作業をあと5営業日短縮できるようにして。これが出来れば、取締役会メンバーが5営業日早く経営判断を下せるようになる。そうすると、おそらく売上ベースで月1億円ほどのインパクトが出る。だから、結果が出ればボーナスと昇給は相当弾めると保証する」と。

我々が現状維持を放棄する時があるのは、人類の「進化」の歴史が証明している。

我々は、もともとは他の動物と同じ野生の獣でした。

でも、今や、ちょっとした山よりも高い建造物を建て、離れたところにいても瞬時にコミュニケーションが取れ、自分達が食べていけるに十分な食事を確保し(食品ロスの問題はあります)、そして今やその活動領域を宇宙にまで広げようとしています。

これは、もはや変化を超えて「進化」と言ってもいいのではないでしょうか。

ここで1つ気になることが出てきます。

生物にはホメオスタシスがあり、変化は元に戻そうとする。
我々人類は、それがマインドの内面である情報空間にも働いている。
だから、物理的にも内面的にも発生した変化は元に戻ってしまうのではないか。

そうなると、そもそも変化も出来ない。結果としてここまでの「進化」もできないのでは?

でも、人は大きく「進化」することができました。

この秘密が、まさに、「現実的な目標(ゴール)より現状の外のゴールの方が達成しやすい」ことの理由なのです。

我々の進化しすぎた脳。

誰もが知っている通り、我々人類の脳は他の動物と比べて圧倒的に進化していると言われています。
その理由は、脳の中では新しい部位である「前頭前野」が発達したことにあります。

前頭前野は、簡単に言ってしまえば、本能ではなく理性を司る脳であり、また高次な抽象的な概念などを思考することのできる脳です。

この前頭前野が発達してきたために、我々はいろんなことを空想することができますし、仮想的なことに対しても現実味を持って認識することが出来たりします。

例えば、小説。
小説は言ってしまえば文字の羅列です。そして、文字というのは単なる記号でしかありません。線の組み合わせにすぎません。

なので、小説というのは、線の組み合わせの羅列を眺め続ける行為なのです。

通常、線の組み合わせの羅列を時間をかけて眺めても心が動かされたり、引き込まれたりするようなことは起こらないように思えます。

でも、我々は違います。
本に書かれていることに感情移入し、まるで主人公になったかのように、その体験を追体験し、悲しい場面があれば涙を流し、幸せな結末を読めば自分まで幸せになれるのです。

これは、小説という言ってしまえば単なる線の組み合わせの羅列を読むだけで、空想の世界を現実のように感じて情動が動かされてしまうということなのです。

このように、我々は、発達しすぎた前頭前野などの仕組みによって、我々の内面の情報空間を現実だと捉えてしまう訳です。

ちなみに、言葉によって我々の内面の情報空間に介入して、色々なことをさせてしまう技術があります。それを催眠と言います。我々人類は、この前頭前野などの仕組みのために、催眠や洗脳にかかってしまうのです。

さて、話を戻します。

我々のマインドは、自分の内面の情報空間についても現実だと感じてしまうことを説明してきました。

ここで、実際には、今実際に存在している現実というものも存在します。

あなたが、少し古い喫茶店の中で、とても幸せになる美しいファンタジー小説を読んでいるとします。
喫茶店が実際の現実で、小説の幸せな美しいファンタジー世界が情報空間の現実です。

この喫茶店がとても古びた汚い喫茶店であったとしても、もしも小説に集中していたら小説の中の綺麗な世界の没頭して、喫茶店のことは気にならなくなるでしょう。

これは、この瞬間、あなたのマインドの中で、リアリティを、小説によって表現されている情報空間に感じているからです。リアリティを感じている世界を現実だと考え、喫茶店の方のリアリティが下がっているのです。

ゲシュタルト心理学において、我々は、「複数のゲシュタルトを同時に認識・維持できない」と言われています。ゲシュタルトとは、我々の精神や認識が、個々の要素と全体の要素が互いに双方向にフィードバックしつつ構成されている構造のことを言います。

ここでは、我々は、複数の現実がある場合に、例えば喫茶店と小説の世界のうち、たった1つしかリアリティを感じることができないということです。

下の写真を観てください。

(c)株式会社テクニカ エイ・ブイ / PIXTA(ピクスタ)

この画像、あなたにはどう見えますか?

左画面の奥の方を見た若い女性が見えたり、少し下を見た老母が見えたりすると思います。

こういった画像はよくあるので、この画像も見たことがある人も多いと思います。

ここで、注目してほしいのは、若い女性を見ている時は、老婆が見えないということ。逆に、老婆を見ている時は、若い女性が見えないということです。

この画像全体から、我々はゲシュタルトを構築してその内容を認識している訳ですが、若い少女か老婆のうち同時に認識・維持できるのは1つだけになるということです。

ゴールの世界にリアリティを感じれば、我々のマインドはゴールの世界を現実だと思う。

これらのことは、次のことを我々に示してくれます。

  • 現実の世界と空想の世界、そのどちらにもリアリティを感じることができる。

  • そして、リアリティを同時に感じることができる世界は、そのうちの1つだけである。

ここで、「あなたがゴールを達成した世界」を空想の世界とします。

そして、あなたのマインドが、この「あなたがゴールを達成した世界」にリアリティを感じて、そちらの方を現実だと思ったらどのようなことが起きるでしょうか?

「あなたがゴールを達成した世界」が「現実」なのです。
現実というのは、言うなれば「現状」です。

我々には、「現状」を維持する力があります。それを恒常性維持機能(ホメオスタシス)と言います。
そして、このホメオスタシスは、情報空間にも働いているのです。

「あなたがゴールを達成した世界」を「現状」だと感じたら、どうなるのでしょうか?

ホメオスタシスは、現状から離れたら、現状に戻そうと働きます。

つまり、「あなたがゴールを達成した世界」を現状だと認識したら、ホメオスタシスの力によって、「あなたがゴールを達成した世界」に戻ろうとする訳です。

あなたは、「あなたがゴールを達成した世界」に向かって進んでいけるようになる訳です。

そうなると、変化を恐れず、むしろゴールに向かって、どんどんと、それこそ勝手に進んでいくことになるのです。

ゴールの世界に臨場感を持てばいい。

では、「ゴールの世界」にリアリティを持つためにはどうしたら良いのでしょうか?

先に答えを言ってしまうと、「ゴールの世界」に臨場感を持ってしまえばいいのです。
臨場感とは、あたかもそこに身を置いているかのような感覚のことです。

そして、我々は、五感や感情などを強く感じている「世界」に臨場感を感じます。

もしも、あなたの「ゴールの世界」が今と変わらないような世界であったら、つまりは、現実的な範囲内のゴールであったら、そこに強い感情は生まれません。

そうすると、「ゴールの世界」に臨場感は生まれず、リアリティも発生しません。そうなってしまうと、ホメオスタシスの力で変化を発生させようとはしなくなるのです。

一方で、あなたの「ゴールの世界」が今とは比べようもないくらい、楽しく、嬉しく、気持ちよく、誇らしく、清々しくなれるような、圧倒的な世界だったらどうでしょうか?

そんなインパクトの強い「ゴールの世界」であれば、今の現状よりも強く強く「ゴールの世界」に臨場感が生まれるのです。そうすると、「ゴールの世界」を現状だと感じます。ここでホメオスタシスの力が働きます。現状を維持するために「ゴールの世界」を達成しようと。

変化を嫌がる我々がゴールを達成する最適な方法。

それは、大それた、しかも圧倒的なゴールの世界を目指すということ。

そうすると、現状を維持することを目的としたホメオスタシスの力が逆向きに働き、ゴールを達成するために動いていけるのです。

我々人類は、太古の昔より、発達した前頭前野を上手に使い、変化を嫌がる他の生物や動物を押し退け、輝かしい未来をイメージしながらここまで「進化」してこれたのです。

認知科学によって発見された「現実的な目標(ゴール)より大それたゴールの方が達成しやすい」理由。

これによって、今の世界はますます変化が激しくなっていくのだと思います。しかし、この認知科学的メソッドが浸透しているところと、そうではないところでは、大きな差が出てきてしまうのではないかと危惧しています。

この認知科学的メソッドは、アメリカで生まれたメソッドです。
でも、まだ日本ではそこまで広がっていないように思えます。

この認知科学的メソッドが広がらないことが、日本の成長を止めてしまっている原因の1つのような気がしてなりません。

こちらを読んでいただいた皆さんは、是非とも、「現実的な目標(ゴール)より大それたゴール」を目指して、これからの日本の新しい時代を作っていってほしいと思っています。

私も「新時代」を作っていくために、試行錯誤しつつ日々邁進しています。

一緒に頑張っていきましょう!

なお、私は、「新時代を作る人」向けのコーチングを行なっています。今回、お話ししたメソッドをふんだんに取り入れた強力なコーチングです。

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私の「新時代を作るコーチング」についてはこちらの記事もどうぞ。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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