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GFT 6th チームコンセプトを決めるための準備

前回今回は「正しい」は1つではなく選手や状況によって変わるということ、理想だけではなくチームコンセプト(チームとしての正解・理想)を持つことの重要性について書きました。
今回はチームコンセプトを決める前にどんなことを準備するかということについて、大学のコーチをしていた時私がしていたことを中心に書いていきたいと思います。

どの相手に勝つことを目標にするか

カテゴリーにもよりますが、大学生の場合たいていリーグ戦が最も重要な試合で対戦相手はシーズン開始時にすでに決まっていることが多いと思います(インカレにいくようなレベルのチームは今回想定していません)。ですので、どの相手に勝つことを目標にするかを比較的イメージしやすいと思います。
対戦相手のことについて考えるためにはスカウティングが必要です。ここでいうスカウティングとは誰が上手かやどんなセットプレーを使うかではなく、このチームはどういったチームカラーか、ディフェンスでは何を狙っているのか、もっといえばこのヘッドコーチはどんな人か、というようなことです。

例えば
・走り合いを得意とするチームでスリーポイントを積極的に打ってくる
・ディフェンスはオールコートマンツーマンで激しくあたってくる
・コーチはゲキを飛ばすことが多い
といった具合です。

リーグ戦では1チームだけではないので複数のチームに対して整理しますが、特に重要な試合(ライバル校との対戦、上位進出の鍵となる試合など)を中心に私は考えています。
こういったことは何年か同じリーグでコーチをしていれば自然とできることかもしれませんが、コーチがいなかったり学生コーチだけの場合は各自で付箋に書き出したものをみんなで話し合ってチームとしての見解をまとめていけるといいのではないかと思います。

自分たちの強み・弱みはどうか

また同様に自分たちについてもスカウティングをします。ここでも個人の特徴をとらえるのではなくチームとしての特徴を重視するようにします。

例えば
・シュートが上手
・チームの一体感がある
・練習熱心
・コミュニケーションが少ない
・サイズが小さい
・プレスに弱い
などといった具合です。

ここでポイントとなるのは練習での取り組み方やチームの空気感といったものを客観的に捉えることです。対戦相手と違って自分たちのことは練習までわかりますし、練習を通じて成長を目指すのであればとても重要な作業だと思います。ここでどれだけ客観視して課題を整理できるかがチームの成長を左右します。

どんなゲームをしたいか

そして対戦相手と自分たちのスカウティングができたらそれを踏まえて対戦するときにどんなゲームをしたいかということを考えます。
先ほど例に出したチームと対戦すると考えてみます。まず走り合いを得意とするチームに対して自分たちは走り合えるかどうか考えます。
自チームの選手の体力で上回れるだろうか?また体力をつけるために十分な練習時間を割けるだろうか?その練習は選手全員が前向きに取り組めるものだろうか?
こういったことを考えると私の結論は常に「走り合うのではなくゆっくりとしたゲーム展開に持ち込むべき」でした。
そうすると問題となってくることが走り合いの展開に持ち込むためにオールコートプレスで激しくあたってくるということです。これに対してどう対処するかということはシーズンが始まる前から1年間かけて準備しなければならない課題だと思います。そこで自チームの特徴として練習熱心でチームの一体感があることを踏まえると、プレスブレイクの形を決めて毎回の練習で少しずつ練習していこうと考えました。
こういった形で少しずつどんなゲームをしたいかということを考えていきました。

ここで重要なことは「練習して成長できる範囲で」ということを意識することだと考えています。
走り合うために体力練習を多くすることは可能だと思いますが、その分スキル練習や戦術練習に割く時間は少なくなってしまいます。特に私は練習で成長することを重要視していますが、スキルや戦術の方が練習で伸ばすことができる要素だと考えているのでそちらに時間を割くべきだと考えています。この辺りはコーチによって様々な見解があると思います。コーチがいない場合は自分たちが考えられる練習で何を一番伸ばせそうかという点から話し合うのが良いかもしれません。
また私は練習とは選手が前向きに取り組めるものでありたいと思っています。選手の性格や練習環境を考えたときに、私は体力練習よりもスキル練習や戦術練習の方が楽しく取り組めると考えました。

こういった選手の状況や対戦相手の特徴を踏まえて1年後どういうゲームをしたいかということをまずは考えていました。そうやって考えたプランを選手・スタッフと共有していくことをシーズンが始まる前に行っていました。

まとめ

今回はチームコンセプトを作るための下準備について書きました。私が大学で経験していたことを書き留めただけになってしまいましたが、もし少しでも皆さまの参考になれば幸いです。「敵を知り己を知れば百戦して危からず」という言葉もありますが、まずは知るということ。そしてその上で「自分たちがどうありたいか」ということが重要なのだと考えています。
次回はもう少し下準備について書いてみたいと思っています。今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

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