GFT 8th シーズンプランを共有・アップデートしよう
前回はシーズンプランの立て方に関するポイントを紹介し、「なぜ」練習するのか、「いつ」「なに」を練習するのか、「どうやって」達成度を測るのか、といったことを明確にしておくとチームの成長を測りやすいという話を書きました。
今回はコーチが立てたシーズンプランを選手・スタッフと共有してアップデートしていこうという話です。
共有して意図を説明する
まずはシーズンプランを共有することになりますが、この時に重要なことは作成者の意図を説明するということです。それがコーチであれ最上級生であれ、「なぜ」こういったプランになったのかを説明できない・しないのであればそのプランが成就する可能性は低下するでしょう。
なぜならば、プランを実際に実行するのは選手や学生スタッフだからです。彼ら彼女らが納得することなくして最高の力で遂行できないのは明らかだと思います。ですので共有しアップデートしていくというプロセスが必要なのです。
共有する方法としては単にプリントして渡して終わりではなく、power pointなどのプレゼンツールを使ってしっかりとプレゼンするのが良いと思います。ここで重要なのは「いつ」「なに」をするかということよりも「なぜ」こうしたいかということを伝えることだと思います。そして説明し終えたら質問できる時間を取ることも重要です。といってもただ「質問があればどうぞ。」といっても急に質問する事は難しいと思うので、作成者側から「今までと違ってここはこうしようと思うんだけどそれはこういう意図だよ。」といった質問がありそうな部分はより丁寧に理由を説明しておくのが良いと思います。
選手・学生スタッフの意見を取り入れる
私もまだまだできていないのですが、選手や学生スタッフに意見をいってもらうことが最も重要なことだと考えています。基本的に自分がやりたいと思っていることをやっているときに人は最も積極的に取り組めると考えていますので、シーズンプランが個々のやりたいことに沿っている方がチーム全体としても遂行力が高まると考えられます。その一方で誰かの意見だけが反映されてしまうと不満が発生する原因となりかねませんし、あまりに意見を反映させすぎると方針の一貫性が崩れてしまう恐れがあります。個人の意見と全体の一貫性のバランスを取るのもこういったミーティングでのコーチの役割だと考えています。
では実際にどう振る舞えば良いかということですが、チームの心理的安全性が比較的高い場合はグループトークを、そうでない場合は各自の考えを紙に書いてもらうという方法を私からは提案致します。
まずグループトークについてですが、3〜5人程度のグループに分けます。このときできるだけ主力メンバーや上級生が固まらないような分け方で分けると良いと思います。そのあとは全員が話すのに十分な時間を測り時間内でグループで自由にトークします。コーチは特に何もいう必要はありませんが、シーズンプランのように主題が広い場合は「スケジュールについて」や「オフェンスの考え方について」などテーマを絞ってあげると良いかと思います。時間が経過したらチームごとにまとめを全体に共有してもらいます。この時共有ごとに話す人を変えるなど共有する人が偏らないように工夫すると良いのではないかと思います。
この方法だとコーチに伝わるまでにある程度選手間で意思疎通ができている状態が作られるので一定バランスの取れた意見が共有されるのではないかと思います。一方で主力選手や上級生だけが話して終わり、となってしまう可能性もあるので普段から心理的安全性が確保されている必要があります。コーチはグループトークの様子を観察し誰が発言しているかは確認しておきましょう。
グループトークでは一方的な会話になってしまうことが予想される場合、個別に質問を書いた紙を渡して記入してもらうのが良いでしょう。グループトークと同様にテーマを絞るような設問をしておきます。紙に書く場合は話すよりも時間がかかるので、少し長めに時間を取ることが必要だと思います。この方法は全員の意見を確認することができますが、時間がかかることと意見の取捨選択がコーチだけに委ねられてしまうことが難点です。
個人的にはシーズンプランをアップデートするといったような未来志向のミーティングではチームトークを行う方が良いと考えています。理由は「みんなで話し合って決めた」ということ自体が選手や学生スタッフのモチベーションアップにつながると考えているからです。
この時間を取るとシーズンプランの決定までは時間がかかりますが、その分チーム全体への浸透度や個人の共感度が高まると考えています。
シーズン目標・キーワードを書いた紙に全員でサインする
これはどこかのチームが実施しているという記事を基に私が取り組んでいたことですが、模造紙などの大きめの紙にシーズン目標・キーワードを書きます。そしてそれを目指す証としてその紙の余白にチーム全員のサインを入れます。そして練習時に目につくところに貼っておきます。そうすることで「なぜ」練習するかを忘れずに練習に取り組めると思います。またこれを見ることでシーズンプランをみんなで設定した時の体験を思い出すと思いますので、ミーティングで「みんなで話し合って決めた」という納得感をしっかり作れるとシーズンを通して個々が納得して練習に取り組めるのではないかと思います。
ちなみに私の人生プランで作ってみるとこんな感じです。
まとめ
今回はシーズンプランを選手・学生スタッフと共有しアップデートしていく方法について書きました。コーチからのトップダウンのみでも作成できますが、ボトムアップと組み合わせることでシーズンプランはよりチームにフィットしたものになっていく、そしてそれが個々の成長にもつながっていくと思います。次回はまだ決めていませんが、シーズンプランを練習に落とし込んでいく方法について書けたらと思っています。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
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