GFT 9th シーズンプランを周りに共有してみよう
少し間が空いてしまいましたが、時間を取れそうですのでまた少しずつ書いていきたいと思います。お付き合いいただけますと幸いです。
前回はシーズンプランを選手・学生スタッフと共有し、アップデートしていく方法について書きました。
今回は逆にシーズンプランを選手・学生スタッフが立てた場合に部長・顧問・OBOG・保護者といったチームをサポートする方々にそのシーズンプランを共有してみるということについて考えてみたいと思います。
なお今回は生徒・学生主体で運営されているチームを想定しています。
シーズンプランを共有するメリット
まずはシーズンプランを共有するメリットについてです。
①どんなチームを目指しているか伝えることで応援してもらいやすくなる
共有する一番の目的はこの点です。単に「優勝を目指しています。」というチームと「自分たちはディフェンスを頑張って、相手のターンオーバーを誘発して得点につなげることを目指しています。そのためにオールコートのトラップディフェンスを日々磨いています。」というチームがあった場合、どちらの方が試合を見た時に応援しやすいでしょうか。後者の方がディフェンスの時に声をかけてあげたいなとかトラップを仕掛けたときに上手くいってほしいと思うのではないかと思います。
そもそもなぜ応援してもらうことが大切なのかということですが、はっきりいうと応援してもらうことが支援を得ることにつながりやすくなるからです。育成年代のチームの多くは金銭面を含め様々な支援を受けて活動していると思います。「自分たちがどういったことを目指しているか」を共有し、「そのためにはこういう支援をいただけるととても助かります」ということを知ってもらうことは支援を受けるために重要ではないかと考えています。
②シーズンプランに反する振る舞いを避けやすくなる
これも大きな目的です。最もわかりやすい例は試合中の選手への声かけだと思います。例えばシーズンプランとして「ポジティブな声を掛け合おう」という価値観を示していたとします。それを共有していれば試合中に観客席からネガティブな声かけがあったとしても、他の方々がポジティブな声かけで打ち消してくれたり、そういう声かけを注意してくれる可能性が高くなります。また自分たちが無視することへの精神的な負担も軽くなるかもしれません。なかなか自分たちより年上の方にお願いすることは難しいことですが、予め方向性を示しておくことで自分たちへの影響を少しでも軽減できるかもしれません。
③他者に共有することで自分たちの理解が深まる
自分たちにもメリットがあり、それは共有することで自分たちの理解が深まるということです。特にチーム内であれば詳しく言わなくても伝わることでも、チーム外の方に共有するためには目的や理由を丁寧に説明する必要があります。例えば「3月には強化のため遠征を行います。」だけではなく、「3月には格上のチームと対戦してプレッシャーに負けないオフェンスを構築するために、□□へ遠征を行います。遠征先では〇〇大学や△△大学などインカレ出場校を含む□□地区1部のチームとの対戦を予定しています。」といったように説明することで、遠征に対する支援を引き出せる可能性を上げるとともに自分たちでも遠征の目的を再確認することができます。
こういった「なぜ」を明確にすることで、自分たちのひとつひとつの行動の効果を高めることができることも他者に共有するメリットだと考えています。
共有をスムーズにするために気をつけるべきこと
共有するメリットについては上で説明しましたが、共有が上手くいかなかった場合応援してくれる方々の熱意が冷めてしまったり支援が減少してしまう恐れがあります。そうなることを避けるために気をつけた方が良いであろうことを考えてみます。
①直接的な支援を要求しない
あくまでもシーズンプランを共有する目的は「応援したいと思ってもらう」ことで、支援を引き出すことではありません。ですのでこういうスケジュールで計画しているということを伝えるだけにして、予算などについて質問された場合に「今はこういった状況なので、支援があればありがたいです。」と返答する程度に留めるのが良いかと思います。
②過去を否定しすぎない
恐らく初めてこういったシーズンプランを作って周囲に共有する場合、今までのチーム作りから違う方向に転換する場合がほとんどだと思います。ですので共有すると「どうして今までのやり方じゃだめなの?」という反応が返ってくると思います。それに対して「今までのやり方ではこういうところがだめだったからこうする」という返答は正しいかもしれませんが、特にOBOGなど過去をよく知る方にとっては受け入れ難いものになってしまうでしょう。それよりも「自分たちはこうなりたい。その未来のためにこういったプランで進んでいきたい」という伝え方の方が「今はそういう時代なのかな」と相手も受け入れやすくなるのではないかと思います。
③自分たちのプランを報告するという意識で
また過去をよく知る方の場合「こうした方がいいよ」というアドバイスをもらうことが想定されます。が、ここではあくまで自分たちが決めたシーズンプランを共有することが目的ですので、アドバイスをもらう場ではなく自分たちが決めたことを伝える場であるという姿勢を忘れないようにしましょう。「どう思いますか?」ではなく「私たちはこうするつもりです。」という立場で臨みましょう。
これはアドバイスをもらうことを否定しているのではなく、ある部分で受けたアドバイスによってシーズンプラン全体のバランスがおかしくなったり、気づかないうちに方向性が変わってしまうことを避けたいからです。ですのでどんなアドバイスもまずは一旦持ち帰って検討するくらいで受け止めれば良いのではないかと思います。
まとめ
今回は自分たちが立てたシーズンプランをサポートしてくださる方々に共有するということについて書きました。これは私がしていたことではなく、すべきだったのにできなかったことです。ですのであくまでこうすればこういう結果になるんじゃないかということを想定して書きました。もちろんチームごとにいろんな事情があると思いますので、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?