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GFT practice 1st プレスブレイクがオフェンスに与える影響

今回はGFT practiceという新シリーズを書いてみます。GFT practiceではもう少しバスケットボールの戦術的な部分について考察していきます。
最初のテーマはプレスブレイクにします。プレスディフェンスに対してターンオーバーを繰り返し、練習してきたことができないという光景が育成年代の試合では散見されます。これに対してどういった練習をすれば良いのかということを考えていきたいと思います。今回はプレスディフェンスがオフェンスに与える影響について考えてみます。ここではマンツーマンプレスに対するプレスブレイクを想定して話を進めていきます。

オフェンス全員に対する影響

まずはプレスディフェンスがオフェンス全員に与える影響について考えてみます。

①時間が制限されている

プレスディフェンスが与える最も大きな影響は5秒または8秒オーバータイムになるかもしれないという不安だと思います。このため早くパスを出そうとしてディフェンスをリーディングしないままパスしてしまったりします。また無理やりドライブしてサイドラインを割ったりしてしまうのも、時間制限のプレッシャーにより判断力が低下してしまった結果ということもできるのではないかと考えています。

②エリアが制限されている

フロントコートにボールを運んだらバックパスにならないようにフロントコートのみでプレーしなければなりません。そのことを意識せずとりあえずパスでフロントコートに入ろうとした結果、コフィンコーナー(オフェンスから見てフロントコート側にあるサイドラインとセンターラインで囲まれたコーナー)でトラップされるということも散見されます。

③ターンオーバーの影響が大きい

自分たちのバックコートでターンオーバーをしてしまうとイージーなショットを許してしまうことにつながる可能性が高く、オフェンスはターンオーバーを避けなければという心理的なプレッシャーをより強く感じてしまいます。それによって必要以上に安全にボールキープしようとして、それが①であげた時間の制限による影響をより大きくしてしまいがちです。

ボールハンドラーに対する影響

プレスディフェンスではボールハンドラーが近接して守られますが、それがオフェンスにどのような影響を与えるか考えてみます。

①常にターンオーバーのリスクにさらされる

近接して守られている場合、常にボールをスティールされるリスクがあります。またボールを守ろうとするあまり、ピボットやボールの突き出しが適切にできずトラベリングをコールされてしまうという事態も想定されます。ですので攻めの姿勢でボールキープをすることが重要です。

②ドライブ時にはトラップやヘルプを頭に入れる必要がある

近接して守られている場合、ドライブでそれを突破することがあります。ディフェンスは多くの場合それを予想してトラップやヘルプを準備しています。ですのでボールマンディフェンスがディレクションしている側にドライブする時にはトラップやヘルプを突破できるかどうかまで頭に入れる必要があります。

③パスを出すために工夫する必要がある

パスでつなぐことがもう1つの選択肢になりますが、ディフェンスに近接されている場合簡単にパスが出せず、タイミングよくドリブルやピボットなどでボールキープしながらパスを出すためのスペースを作る必要があります。

ボールを持たない選手への影響

ボールを持たない選手に対するディフェンスの役割は主にディナイしてパスを簡単に出させない、長いパスをスティールするのを狙う、ボールハンドラーに対してトラップやヘルプを仕掛けるということになると思います。
これらの役割がオフェンスにどのような影響を与えるでしょうか。

①自分がどこにスペースを取るかの判断が重要になる

自分がハンドラーに近づけばパスを受けやすくなりますが、同時にトラップやヘルプを仕掛けられやすくなります。逆に遠ざかればハンドラーのドライブするスペースは広くなりますが、パスを受けづらくなります。またハンドラーのドライブとパスを受けるための動きのタイミングが被ってしまうことも気にしなければなりません。ボールを持たない選手のスペーシングはハンドラーの判断に大きく影響します

②自分の役割を守るかどうか悩む

これは良いフォワードやセンターが特に感じる影響だと思います。スペーシングを理解すればするほどスペースを空けるためにフロントコートの奥で待つ選手が出てくると思います。その選手の中には「自分がパスを受けにいくとうまくいかないかもしれない、でも何かしたい」と思う選手が一定数いると考えています。その結果フラッシュするタイミングが被ってしまったり、センターライン周辺に選手が集まってしまうということもあるのではないかと思います。

③パスを受けるために工夫する必要がある

ハンドラーや他の選手の動きに合わせてボールサイドカットやVカット、フラッシュなどを使ってパスを受ける必要があります。ここで重要なのは自分ではなくハンドラーのタイミングに合わせて動くということです。

まとめ

今回はオールコートプレスがオフェンスに与える影響について、3つの立場から考察してみました。私はオールコートプレスブレイクはその日頑張ればなんとかなるものではなく、「なぜ」難しいかを考え、「どうやって」攻略するかを明らかにして、日々「何を」練習するかを積み重ねてやっとできるようになっていくものだと思っています。今回はその中の「なぜ」の部分にフォーカスを当てて考えてみました。「なぜ」を明らかにすることによって「どうやって」のヒントが見つかると思います。次回は「どうやって」の部分を考察していきたいと思います。今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

おまけ

「なぜ」の中に「どうやって」を考えるためのヒントがあると書きましたが、今回の「なぜ」の中からは3つのキーワードを見つけることができると思います。そのキーワードは次回から少しずつ明らかにするつもりですが、早く知りたい人向けに有料部分で3つのキーワードを書いておきます。もし方城くんを応援してあげてもいいなと思う方はお金を払って頂けるととてもありがたいです。
念のため繰り返しになりますが、次回以降で3つのキーワードを中心に書いていく予定(もしかしたら変わるかもしれませんが…)ですので待っていただければ無料で公開しますので、その点ご承知おきください。

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